No.655
2022.03.28
加えられた力を正確にセンシングする、親指型センサー
A soft thumb-sized vision-based sensor
概要
「A soft thumb-sized vision-based sensor」とは、親指型の高感度触覚センサーである。軽くて硬い骨格とそれを包む柔らかいゴムで形成され、触られるとゴムの皮膚が凹み、内側のLEDライトでそれを検知することで、触られている位置や方向、圧力を正確に検知する。低価格で再現でき、内蔵カメラとLEDライトと簡単な製造技術があれば実装できることから、医療やロボティクス、義肢技術など多方面での活用が期待されている。
なぜできるのか?
カメラとLEDライトで触覚を検知
本センサーの内部には、視野角160度の魚眼レンズ付きカメラと、内部を照らすリング状の3色のLEDライト(赤・青・緑)を内蔵。本親指型センサーが何かに触れ義指の内部形状が変形すると、内部の光の模様もそれに伴い歪められて変化する。この模様の変化を内蔵カメラが捉え、1秒間に複数回記録する。
深層学習ネットワークによる解析
記録された光の模様の変化は深層学習ネットワークに伝送され、模様の変化を基に、どこに接触しているか、力が加わった位置や方向、力の強さが算出される。学習したモデルは、送られてきたデータからセンサー内部のカラーパターンの変化を検出、センシングした面全体に力関係の分布マップを継続的に提供する。
高精度な触覚を実現
精度実験の結果、空間分解能は0.4mm、力の大きさの精度は0.03~2N程度、力の方向の精度は5度を持つことが判明。接触面積が異なる多数の接触も同時に測定できた。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Max Planck Institute for Intelligent Systems