No.658

2022.03.29

点字や画像を2400本のピンで表現する触覚ディスプレイ

Dot Pad(ドットパッド)

dot-face

概要

「Dot Pad(ドットパッド)」とは、視覚障がい者の触覚コミュニケーションに焦点を当てた点字ディスプレイ。画面に配置された2400本の可動ピンが上下することで点字文字やテキスト・図形・絵柄を凹凸で形成、ユーザーはそれを指でなぞることで情報を受け取ることができる。従来、デジタル文字を読むための点字ディスプレイは存在していたが、Dot Padは点字だけでなく画像やアニメーションも触覚で表現でき、またiPhoneなどの外部デバイスと連携することでユーザーがタップした情報を音声で読み上げる機能も搭載。視覚障がい者のUIをデジタル化し創造力を高めるツールとして教育や雇用などさまざまなシーンでの活用が期待されている。

productivity

creativity

なぜできるのか?

電磁アクチュエーターを応用

「Dot Pad(ドットパッド)」では、ピンの上下運動にスマートフォンのスピーカーに利用されている電磁アクチュエーターを利用。これまでの点字アクチュエーターの数分の一の大きさでピンを並べることができたため、文字や図形パターンを形成するのに十分な密度を持つ。

AppleのVoiceOver機能と連携

「Dot Pad」はAppleのVoiceOver機能(画面読み上げ機能)と連携。テキストやアイコン、グラフや単純な画像をタップするだけで読み上げられる。カメラやマップ、Instagram、Twitter、Facebookといったアプリとも連携でき、手軽に利用できる。

デュアルディスプレイ

「Dot Pad」には、点字300文字分を表示できるグラフィック用ディスプレイのほか、点字20文字分を表示できるテキスト用ディスプレイを搭載している。画像の反転やズーム、パン(横移動)といった操作を指先で行いやすい。

相性のいい産業分野

メディア・コミュニケーション

視覚障がい者との点字や画像を使ったスピーディで円滑なコミュニケーション

AI

触覚ディスプレイを介して会話ができるAI音声アシスタント

IT・通信

検出されたテキスト情報を点字出力するアプリケーション

製造業・メーカー

リアルタイム翻訳機能を兼ね備えた点字リーダー

アート・エンターテインメント

視覚障がい者が持ち運びしながら展示情報を知って楽しめる美術館用ディスプレイ

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© Dot Inc.