No.670
2022.04.06
“おもちゃ”の技術を応用した変形型月面ロボット
SORA-Q(ソラキュー)
概要
「SORA-Q(ソラキュー)」は、おもちゃのように球体から探索機へと変形可能な小型探査ロボット。玩具開発によって培われた技術によって、小型・軽量でありながら、月面到着時に球形から車輪を持つ走行可能な探査機へと変形し、自由に移動することができる。また、SORA-Qには2台のカメラが搭載されており、別の探査機に通信を中継してもらうことで撮影画像等を地球へ送信することが可能。現在、JAXAの小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」に搭載されることが決まっており、宇宙開発の活性化を支えるロボットとして今後更なる活用が期待されている。
なぜできるのか?
球体設計による小型化・軽量化
SORA-Qは、球体かつ本体そのものが車輪の役割を担うよう設計することで、直径約8cm、質量約250gまで小型化・軽量化を実現。また球体であるため、着陸時の衝撃に強く、着陸後の姿勢がどのような角度であっても展開し駆動を始めることができる。
自在に移動可能な両輪構造
SORA-Q表面の球体状の外殻は、着陸後に左右へ分割し月面移動用の車輪として左右別々に回転させることが可能。車輪は回転軸が偏心して(重心がずれて)おり、左右が協調して動く「バタフライ走行」と、別々に動く「クロール走行」という2種類の走行モードを使い分けることができ、平坦な地形だけでなく傾斜地での走行もスムーズに行うことができる。
前後に搭載されたカメラによる画像送信
SORA-Qには、2台のカメラが搭載されており、前方のカメラで着陸機や周囲の状況を、後方のカメラで車輪が通った形跡をそれぞれ撮影。撮影された画像は、別の探査機に通信を中継してもらうことで画像等を地球へ送信することができる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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