No.674
2022.04.08
約600駅のSuicaビッグデータから人流を可視化
駅カルテ
概要
「駅カルテ」とは、JR東日本が首都圏を中心とした約600駅におけるSuicaの利用データを統計処理し、その利用動向を駅ごとに把握することができる分析レポート。利用者のプライバシーを保ちながら可視化された人流データを、レポート数に応じて有料で購入することができる。「駅カルテ」により把握できるのは、駅の利用者属性や利用者数、利用者数の伸び率など。エリアのタイムリーな動向を把握できることから、店舗のマーケティングや観光プロモーションなど、地域課題解決や事業戦略に活用されることが期待されている。
なぜできるのか?
Suicaからビッグデータを収集
駅の改札を入出場する際に記録されるSuicaデータを用いて、駅ごとに統計情報を作成して利用状況を可視化する。記名式のMy Suica、Suica定期券、Suicaカード、モバイルSuicaが対象となり、Suicaのビッグデータを収集する。
多様な統計項目を用意
「駅カルテ」には、対象駅が住宅街の駅なのかオフィス街の駅なのかといったタイプ判定のほか、利用規模や伸び率、居住・訪問の割合、リピーター状況などさまざまな項目が記されており、利用する企業やユーザーの求める産業分野に応じたデータを提供することが可能となる。
プライバシーに配慮した統計処理
「駅カルテ」では、ユーザーの個人情報配慮の観点から氏名と電話番号が削除され、生年月日は生年月に変換した個人の識別性を下げたデータが用いられる。また、統計は1時間単位、年齢統計は10歳単位で実施。動向は1カ月を通じた1日あたりの平均で表示され、集計値は50人単位で表示される(30人未満は非表示)。なお、1日あたりの平均利用者数が100人未満の駅のデータは削除される。このように、統計されるデータは、特定の個人が識別される少人数データなどを除去する「まるめ処理」加工が行われるため、プライバシーを厳重に保護した上で統計を取ることができる。
相性のいい産業分野
- メディア・コミュニケーション
駅周辺広告におけるプロモーション対象エリアやターゲットの選定
- 旅行・観光
観光広告をどの地域で出したら最も効果的かを可視化
- 生活・文化
通勤住民のピーク時間帯から店舗の営業時間を決定
- 住宅・不動産・建築
不動産販売事業の際の周辺データに活用
- アート・エンターテインメント
駅の人流から大規模イベント開催時の効果を測定
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© 東日本旅客鉄道 株式会社