No.680
2022.04.13
脳内にイメージする「魅力的な顔」を可視化できるアプリ
FaiCE(フェイス)
概要
「FaiCE(フェイス)」とは、脳科学、心理学、AIを組み合わせた独自アルゴリズムによってユーザーが脳内にイメージする「魅力的な顔」を可視化できるAIアプリである。ユーザーはアプリから得られる30枚の架空の顔写真それぞれに対して、イメージに合うかどうかの点数をつけるだけで、人工知能がユーザーの脳内にある無意識な感性を推定し、架空のAI顔としてイメージを画像生成する。視覚から得られる感性情報をデータ化する特許技術を応用しており、将来的にはキャラクター開発や商品開発、パッケージデザイン案の作成、特定ユーザー層に向けたマーケティングなど、多岐分野への応用が期待されている。
なぜできるのか?
生成される架空の「AI顔」
ユーザーが脳内に思い描く「魅力的な顔」「あざとい顔」「アイドル顔」などを、30枚の写真を選択することでAIが可視化していく。「FaiCE」で生成される顔イメージ画像はすべて、AI技術によって生成されたものであり、実在しない顔。生成された顔画像をシェアしたり、SNSのアイコンに使用したりすることができる。
心的テンプレートを可視化する特許技術
視覚を元にした感性は、ひとりひとりが無意識のうちに脳内に構築しているイメージ(心的テンプレート)に大きく影響されるが、本アプリでは脳科学・心理学の知見と最新のAI技術を組み合わせた独自アルゴリズムにより、個人ごとの感性を画像化・数値化する特許技術の開発に成功。この研究成果により、これまでは他の人に伝えるのが難しかった「かわいい」「かっこいい」「美しい」などの感性を画像やデータとして利用することが可能となった。
教師画像を人工知能(GAN)に学習
コア技術となっているのは、ヒトの顔やインテリア、絵画など、数万枚の画像を学習させたGAN(Generative Adversarial Network、敵対的生成ネットワーク)である。これにより、各分野におけるユーザーの好みを可視化する潜在ベクトル空間を構築する。人工知能が生成した評価用画像に対するユーザーの評価結果を基に特徴ベクトルを抽出し、独自開発の逆相関法アルゴリズムを用いて、各ユーザーの感性に基づく特徴ベクトルを生成。各ユーザーの特徴ベクトルを人工知能に読み込ませることにより、画像として視覚化する。
レコメンドシステム
実在する顔、絵画、アニメ等の画像を潜在ベクトル空間にマッピングし、各ユーザーの特徴ベクトルとの比較を行うことにより、ユーザーの感性に近い画像のレコメンドが可能となる。
相性のいい産業分野
- 生活・文化
ユーザーの好みの顔を分析し、理想の顔に近い人物をマッチング表示
- メディア・コミュニケーション
多くの人が好む顔データを分析し、キャラクターデザイン開発に利用
- 製造業・メーカー
消費者の好みに近いパッケージデザインの開発に活用
- アート・エンターテインメント
各ユーザーの感性に合ったアート作品をレコメンド
- AI
過去に出会った人の特徴を架空の画像データからパーツ選択し、近い顔をAI顔として再現
- 教育・人材
犯罪被害を受けた相手の顔を脳内イメージから画像生成し、防犯活動に活用
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Getty images
・特願2020-021509