No.684

2022.04.17

着衣を介助する生活支援ロボットシステム

HAFY(Helping Arms For You)

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概要

「HAFY(Helping Arms For You)」とは、高齢者などスムーズな着衣が困難な人を介助するロボットシステム。画像認識と色判定で、ハンガーラックから色や柄など好みの服を選択し取り出す生活支援ロボット「HSR」と、その服を受け取って着せる双腕ロボット「バクスター」、高齢者を運ぶ移動チェアロボットの3台が協調し、介護者の動作に合わせた作業を行う。従来、介護士にとって、患者に服を着せるのは排せつや入浴の並んで労力のかかる介助作業の一つ。「HAFY」の導入により介護士の負担が軽減されるとともに、介助により服が着られる人の自活を高める側面も持ち、介護業界を中心に実用化が期待されている。

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なぜできるのか?

画像認識により好みの服を選択

生活支援ロボット「HSR」にはAIとディープラーニング技術が搭載されており、画像認識と色判定で服の色を識別する機能と、ディープラーニングで物を取ってくる機能を組み合わせ、色判定で指定した服を取りに行かせられる。

ユーザーの動作に合わせた動き

介助ロボット「HAFY」は、着衣者が抵抗したり身体に接触したりすれば自動停止し、肩部分を揺らすと再び作業を開始する。また3台のロボットの動作のタイミングをうまく協調している。

音声メッセージで不安を軽減

「HAFY」には「これから、服を着ます」などの音声メッセージ機能が搭載されており、着衣時に人間の口調で話しかけることが可能。音声のタイプは女性や男性など3種類から選択できるほか、介護職員の声も使用でき、ユーザーの好みの声に設定できる。

身体的負担に配慮した着衣を実現

着衣の際は、双腕ロボット「バクスター」と移動チェアロボットが協働し、着衣者の背中側から腕に沿うように下から肩へ羽織らせる。そのため、肩が上がらない高齢者でも着やすい。

相性のいい産業分野

医療・福祉

身体が不自由な高齢者の着衣をサポートする自活支援ロボット

教育・人材

着衣介助ロボット「HAFY」を導入し介護士の仕事量を削減

ロボティクス

高齢者の入浴などをサポートする介護士ロボット

IT・通信

画像認識で高齢者に異変があった場合は自動でSOSを発信するシステム

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© 九州工業大学 柴田智広 研究室