No.710
2022.06.10
紫外線量によって透明度が変化するメガネレンズ
SunSensors(サンセンサーズ)
概要
「SunSensors(サンセンサーズ)」とは、紫外線の量に応じて透明度が変化するメガネレンズ。日差しの強い野外ではサングラスに、紫外線の届きにくい室内ではクリアなレンズに戻る調光レンズを作成でき、目に有害な紫外線をカットしながら眩しさのコントロールを可能にする。また、「SunSensors」を変色させる色素「フォトクロミック色素」をレンズの素材に練り込むことで、コーティングタイプに比べ調光性能が長持ちし、スピーディーな発色・退色を実現。メガネ以外にもファッションアイテムやインテリアへの応用も期待されている。
実現事例 実現プロジェクト
ANREALAGE 2019 S/S COLLECTION
「ANREALAGE 2019 S/S COLLECTION」は、ファッションブランド・ANREALAGE(アンリアレイジ)がパリで発表した2019年の春夏コレクション。「CLEAR」をテーマとした同コレクションでは、黒と透明の共存を演出するため三井化学株式会社と協業し、「クリアブラックフォトクロミック」と呼ばれる素材を開発。本素材には「SunSensors」で活用されたフォトクロミック技術が用いられ、この技術によりボタンやパール、スタッズ、スパンコール、マイクロスリット糸などが作成された。
なぜできるのか?
レンズの変色を可能にする「フォトクロミック色素」
「SunSensors(サンセンサーズ)」のレンズには、フォトクロミック色素という化合物が練り込まれている。この色素は、紫外線を照射されることで透明な分子構造から可視光を吸収する不透明な分子構造へ変化することで色が変わるため、レンズに使用することで、レンズの発色・退色が可能となる。
色素をレンズ全体に練り込み調光性能を持続
「SunSensors」は、色素をレンズ全体に練り込むインマス技術により生成されている。これにより、表面にのみ色素を定着させたコーティングタイプに比べ、レンズの色が変色することなく調光性能が長持ちする。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 三井化学 株式会社