No.712

2022.05.31

クリアな閑かさを実現する、ガラスに貼れる透明吸音パネル

iwasemi HX-α

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概要

「iwasemi HX-α」は、ガラスに貼ることで反響音を抑え、会話のしやすいクリアな空間をつくり出す透明吸音パネル。低音域から高音域まで万遍なく高い吸音率を持ち、自由度の高いカラーバリエーションと薄型化を両立する。人の話し声にあたる500-1000Hz帯の平均吸音率が従来のガラスパーティションは約0.03であるのに対し、「iwasemi HX-α」は約0.8となる。高い吸音性と空間に馴染むデザインで、オフィス空間をはじめとした多岐にわたるシーンでの活用が期待される。

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なぜできるのか?

「音響マテリアル技術」によるニーズに合わせた吸音

「iwasemi」では、開発元のピクシーダストテクノロジーズ社独自の「音響メタマテリアル技術」を用いている。これは、波長以下の微細な周期形状を物質に付与することで自然界にない振る舞いと音響特性を有する人工物質を生成する技術。同社では共鳴音構造を周期的に並べ「音響メタマテリアル」の基本構造をライブラリ化し、ニーズに合わせて適切なスーパーセルを選択することで、高音域になるにつれ吸音率が上がる従来の吸音材とは異なる、適用シーンに最適化した吸音性能を持つ吸音材を実現した。

素材選択の自由度が実現する高いデザイン性

従来の吸音材は多孔質構造が用いられるため、意匠性や強度が制限されやすい。一方「iwasemi」シリーズは共鳴構造を採用しているため、ABS・ステンレス鋼・アクリルなど多様な素材で高い吸音率を実現できる。「iwasemi HX-α」では、「iwasemi」シリーズが有するこの素材選択の自由さを活かし、樹脂を素材に採用。透明色を含むカラーバリエーションや、表面処理によるテクスチャ表現など、空間を演出できる高いデザイン性を実現した。

共鳴吸音構造による薄型化

一般的な吸音材は厚くすることで吸音率を上げられるが、「iwasemi」では多数の共鳴吸音構造を周期的に並べた基本構造を利用シーンに応じて最適化・設計することで、厚みを変えることなく吸音率を上げることが可能。そのため、一般的な吸音材と同等の吸音率を保ったまま薄型化を実現できる。

相性のいい産業分野

生活・文化

オフィスの壁に貼ることで音が干渉しない快適なワークスペースを実現

製造業・メーカー

「iwasemi HX-α」を貼った静音什器

住宅・不動産・建築

「iwasemi HX-α」を壁に貼った簡易的な防音室

アート・エンターテインメント

壁に貼ることで実現できる「どこでも映画祭」

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© 株式会社 イトーキ