No.732
2022.06.16
表面に塗るだけで木材を「燃えにくく」する透明塗料
難燃WOOD塗るだけ
概要
「難燃WOOD塗るだけ」とは、木材に塗ることで燃えにくくできる透明な塗料。木材の意匠性を確保した上で難燃化を実現し、建築物の耐火性能の向上に寄与する。従来、燃えにくい木材の製造には、大掛かりな装置を使用して木材に難燃薬剤を染み込ませるという手法が用いられてきたが、この手法は高コストで、装置のサイズを超える木材に適用できないことが課題になっていた。一方「難燃WOOD塗るだけ」を使用すれば、さまざまな大きさの木材を、従来の3分の1から2分の1程度のコストで準不燃材料(加熱開始後10分間燃焼しない材料)に変えられる。建築基準法による内装制限や脱炭素化社会に向けた国産木材資源の有効活用の観点による木材利用の促進から、燃えにくい木材のニーズが高まっている中、本知財がさまざまな建築物に活用されることが期待されている。
なぜできるのか?
炭化断熱層による難燃化
「難燃WOOD塗るだけ」は、表層に形成される薄い塗装膜により、木材表面に炭化断熱層を形成する。これにより、火災時に木材の難燃化を実現する。
大きな木材や既存の建築物にも使える汎用性
「難燃WOOD塗るだけ」は、大掛かりな装置を必要とせず、塗布するだけで木材を難燃化できるため、CLT(直交集成板)のような大きな木材にも適用可能。また、新築だけでなく既存の建物にも使用できる。
薬剤の滲出を防止し木材の美観を保持
従来の難燃薬剤を染み込ませた木材では、薬剤が外気などと反応して木材表面に染み出して白く汚れる白華現象が生じる場合があった。一方、「難燃WOOD塗るだけ」は、木材の表面に塗装膜を形成する仕組みのため、白華現象を引き起こす可能性が少なく、木材の美観を保持できる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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