No.734
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2022.06.27
ワイパー不要で窓の汚れや雨滴を除去できる装置
ノンブレード次世代ワイパー
概要
「ノンブレード次世代ワイパー」とは、ワイパーブレードを使わずに自動車のフロントガラス全体の雨滴や汚れを除去できる装置。平たい環状の透明シートでフロントガラス全面を被覆して雨滴や汚れの付着を防止するとともに、このシートがフロントガラス上で回転し、フロントガラスの左右の窓枠に沿って設置された雨粒拭い取り部材を通過することで、シート表面の雨滴や汚れが洗浄される。従来の自動車では、ドライバーの目前で駆動するワイパーブレードやブレードが届かない部分に残る雨滴が雨天時の視界不良の原因になっていた。一方「ノンブレード次世代ワイパー」では、目障りなブレードを使わないためドライバーの視野全体をクリアなまま維持でき、車載カメラ映像への雨粒やブレードの映り込みも防止できる。運転時の視認性と安全性の向上に貢献できることから、自動車のEV(電気自動車)化に伴うモビリティ設計の見直しを機に車体への搭載が期待されている。
なにがすごいのか?
ワイパーブレードを使わず窓全体のガラスの汚れや雨滴を除去
フロントガラス全体の雨滴を除き常時クリアなまま維持でき、雨天走行時の安全性と視認性を確保
湾曲したフロントガラスのデザインに合わせたり、シート交換したりが可能な汎用性の高さ
ワイパーブレードを搭載する必要がなく、車体のデザインの自由度向上に寄与
なぜ生まれたのか?
EX(電気自動車)の進化や自動運転技術の開発など、近年、自動車業界の技術革新が目覚ましい。しかし他方で、フロントガラスの汚れや雨滴を除去するワイパーは、100年以上にわたりほとんど構造が変わらず使用されてきた。最近では「超音波ワイパー」や「風力ワイパー」といった新たなワイパーを開発する企業も登場しているが、未だ実用化には至っていない。また、フロントガラスに塗布することで汚れや雨滴を除去できる撥水剤も、あくまで効果は一時的でワイパーの代替品にはならない。こういった状況を受け、浅見氏は「ノンブレード次世代ワイパー」を考案し特許を取得。フロントガラス全体の雨滴を除去する新しい構造の装置を実現した。
なぜできるのか?
雨滴や汚れをくまなく除去
「ノンブレード次世代ワイパー」は、フロントガラス全面を覆う環状の透明シートと、フロントガラスの幅ほどの長径をもつ細長い楕円形のレール、フロントガラスの左右の窓枠に沿って装着される雨粒拭い取り部材から構成される。楕円形のレールはフロントガラスの上下の窓枠部分に設置され、透明シートはレールに沿って駆動する可動体に組み付けられる。「ノンブレード次世代ワイパー」を起動すると透明シートがレールに沿って自動回転し、雨粒拭い取り部材を通過。通過した部分の雨滴や汚れが拭い取られる。これにより、ドライバーの視界を遮らずにフロントガラス全体の汚れや雨滴を除去できる。
車体に溶け込む設計でデザイン性を向上
楕円形のレールは車の屋根枠とボンネット枠に、透明シートの左右の端と雨粒拭い取り部材はピラー(車の窓柱)に隠すことができ、車内・車外双方からワイパーの存在を視認できない設計を実現。車体のデザインを邪魔せずに使用でき、従来のワイパーブレードも使用しないため、デザイナーの意図に沿った自由度の高いデザインが期待できる。
車載カメラやヘッドアップディスプレイの視認性を向上
「ノンブレード次世代ワイパー」は、効果が限定的な撥水剤と異なりフロントガラス全体の視野を遮るものなく常時クリアな状態に維持できる。そのため、車載カメラの映像や、フロントガラスを利用したヘッドアップディスプレイの映像の視認性も向上できる。
さまざまな窓に適用できる高い汎用性
「ノンブレード次世代ワイパー」は、レールの設計次第でさまざまな車種に搭載できるため、横方向に湾曲した形状のフロントガラスにも装備できる。自動車に加え、船舶、電車など乗り物全般、および建物などのさまざまな形の窓に応用できる。