No.735

2023.03.17

自治体によらない、民間発行のパートナーシップ証明

Famiee(ファミー)

Famiee

概要

「Famiee(ファミー)」とは、多様な家族形態が当たり前のように認められる社会の実現を推進するためのプロジェクトである。ブロックチェーン技術を用いることで、現在の法律上では認められない関係を証明する「パートナーシップ証明書」をオンライン申請のみで発行可能。Famieeの証明書は、受入表明をしている全国の企業やサービスで利用することができる。マイノリティな関係でも家族として認められ、等しく公的に家族向けサービスを受けられる社会実現につながると期待されている。

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Famiee パートナーシップ証明書

なぜ生まれたのか?

「家族」という概念は、近年とても多様化している。LGBTのカップル、事実婚のカップル、精子・卵子提供を受けた親子、代理母の協力を得た親子など、従来の概念での「夫婦」「親子」「家族」に当てはまらない新しい家族の形態が可視化されている。しかし、従来の家族の概念に基づいて作られた社会制度の中で、新しい概念に基づき生きる人たちは、多くの困難に直面しているケースが多い。法的には夫婦・親子と認められない人たちが、家族としての当たり前の権利やサービスを受けられない、という課題がある。

解決策の一つとして、すでに複数の地方自治体でパートナーシップ制度が導入されている。しかし、「パートナーシップ証明書を発行する市区町村の在住者でなければ取得できない(一部の例外を除く)」「パートナーシップ証明書を発行した市区町村から転居すると、発行された証明書は無効になり、転居先で再度申請手続きを行う必要がある(一部では自治体間連携もあり)」「申請に際して、当事者が二人そろって役所に出向く必要があり、当事者の意思にかかわらずその関係性がオープンになる恐れがある」などさまざまなハードルが存在している。

なぜできるのか?

紙やアプリで証明できる「パートナーシップ証明書」

Famieeの利用方法は4STEP。①スマホアプリを使って証明書を申請する。②Famieeから送られてきた証明書をダウンロードまたは印刷する。③定期的な関係の更新を行う。④利用事業者にてサービスを受ける際に、証明書の内容を検証する。申請後、証明書はスマートフォンのアプリで表示できるため、医療現場など緊急時にも活用できる。紙での出力にも対応しており、企業等に提出が必要な場合や記念用としても利用可能。

情報の秘匿性とプライバシー保護

Famieeの証明書のデータはブロックチェーンの技術を活用し、データの改ざんが不可能で、高いセキュリティで半永久的に保管される。また申請時に提出する個人情報は、証明書発行直後にすべて破棄され、サーバー等には保存されない。申請者のプライバシーは保護され、個人情報漏えいのリスクを最大限になくしている。

賛同による証明のネットワーク形成

受入表明をする全国の企業やサービスが増えることで、公的な証明書と同等に認められることにつながり、法律を変えることなく多様な家族形態の人たちが家族向けサービスを受けられる。

住んでいる場所に関わらず取得・利用可能

Famieeの申請はオンラインで完結するため、従来のようにパートナーが二人で市役所に出向く必要もなく、第三者に関係が知られるといったプライバシーが守られる。

相性のいい産業分野

生活・文化

同性パートナーでも等しく家族の権利を行使できるライフプランの設計

官公庁・自治体

自治体ごとに条件が異なってしまっているパートナーシップ証明制度の課題解決

医療・福祉

アプリで家族関係を証明することでどこでも即座に受けられる医療サービスや緊急サービス

IT・通信

自治体に出向かなくてもアプリから取得・利用できるデジタル証明書の普及

教育・人材

企業や学校におけるLGBTQの人々の理解促進と選択肢の提供

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 一般社団法人 Famiee