No.956

2024.11.27

呼吸など微細な動きを検知し幼児置き去りを防ぐソリューション

車室内置き去り検知装置 by 村田製作所

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概要

「車室内置き去り検知装置 by 村田製作所」とは、呼吸を含む数センチレベルの微細な動きを検知して、幼児の置き去りを防ぐソリューション。車室内のWi-Fi(無線LAN)電波をセンサーとして用いる仕組みを開発し、設置場所を選ばず、死角のない確実な検知を可能にしている。電子機器の通信手段として広く利用されている車載Wi-Fiシステムを活用することで、手軽かつ低コストに利用できるソリューションを実現した。乗用車・バスの置き去り検知の展開に加え、自動運転自動車などの車内状況を把握する設備としても活用が期待されている。

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なぜできるのか?

電波の反射変化の活用

Wi-Fi電波が送信側から受信側に飛ぶ際の、車室内のモノに反射してできる複数の経路(マルチパス)の波を活用し、微細な動きを検知する仕組みを構築。構築にあたっては、米スタートアップ企業であるOrigin Wireless社のWi-Fiセンシング技術を用い、両社共同で開発した。マルチパスの電波は、車室内で動きがなければ一定の状態に保たれるが、人がいて動くと電波の振動が変わる。その変動を捉えて変動量を解析することで、Wi-Fi電波での置き去り検知を実現している。幼児が呼吸している胸の動きや、身体が数センチ動くレベルの微小な動きも検知可能。Wi-Fi電波は車内の隅々まで届くため、死角をつくらず、寝そべっていても毛布を被っていても検知できる。

既存Wi-Fiを活用できる簡便なシステム設計

検知に使う2台のWi-Fiシステムには、カーナビやテレマティクス制御ユニット(TCU)などのWi-Fiを搭載したハードウェアをそのまま活用できる。Wi-Fi 5以降の規格に対応しているハードウェアであれば、一般的な量産品を利用可能。どちらか一方に、Originwireless社のソフトウェアをインストールすることで、検知システムを構築できる。センシングの精度を高めるために行うのは、自動車の大きさ・形に応じてアンテナの位置や向きなどを調整する程度で、複雑な設営は不要。場所を選ばず手軽に設置できるため、導入工数やコストを抑えられる。

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 村田製作所