No.957
2024.12.04
造形テーブルを動かして精密な3D造形を行うシステム
REX-Series BUTLER fabrication
概要
「REX-Series BUTLER fabrication」(略称:REX-BUTLER/レックス バトラー)とは、ロボットアームで造形テーブルを動かして、精密な3D造形を行うシステム。3Dプリンターや切削加工機などと連携可能な協働ロボットが、執事(バトラー)のように造形テーブルを動かして、50cm〜1mサイズの造形に対応する。ペレット式大型3Dプリンターの開発・製造で培った技術を活かしながら、中小物の造形ニーズに応えられる、拡張性の高いシステムとして開発した。ユニットを連携させた複合加工も可能で、3Dプリンターの機能拡張だけでなく、製品開発やクリエイティブ制作の幅を拡げ、これまでにないプロダクトの具現化を促すと期待される。
なにがすごいのか?
ロボットアームで造形テーブルを動かし精密な造形を実現
3Dプリンターなどとロボットが連動して造形を行う
ベースにペレット型3DプリンターのAM技術を活用
なぜできるのか?
拡張性のあるシステム構成
ユニット、ロボット、ソフトウェアを組み合わせたシステム構成で、拡張性のあるシステムを実現している。ユニットは、3Dプリンターのヘッドなどを開発した専用ユニット(シーケンサー)に固定し、市販のロボットアームを制御して連動させている。また、動作を制御するソフトウェアも独自開発し、3軸以上によるスムーズな造形を実現。ユニットには切削加工など複数機能の追加が可能で、拡張性を持たせたシステムを構築している。
大型3DプリンターのAM技術を応用
大型3Dプリンター「EXF-12」の開発・製造で培ってきた、3D設計図をもとに3Dプリンターで材料を積層して形をつくる、Additive Manufacturing(AM)技術を活用している。同技術をベースに、切削や磨きなどの複合的な加工が可能な、Multi-Mode Additive Manufacturing System(MMAシステム)を構築。3Dプリンターにとどまらない、新しいシステムとして開発した。
幅広い汎用樹脂に対応する専用の造形テーブル
造形物を温めるヒートヘッドを含めた、専用の造形テーブルを開発。それにより、幅広い熱可塑性樹脂のペレット材料の活用を可能にしている。一般的なベレット状の樹脂を使用できるため、リサイクル樹脂や植物由来の生分解性樹脂による造形も可能。クリエイティブ性だけでなく、環境にも配慮したプロダクトを生み出すことができる。
相性のいい産業分野
- 製造業・メーカー
金型など従来手法では開発が難しい中・小型プロダクトの開発
- 資源・マテリアル
オーダーに応じてパーソナライズする製品・部品製造などに活用
- ロボティクス
複数の腕を持つロボットなど、複合加工を円滑化するロボットの開発
- アート・エンターテインメント
これまで難しかった3Dの物体表現やライブイベントへの活用
- AI
熟練技能工や職人などの細やかな手技を学習して再現するAIの開発
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。
Top Image : © 株式会社 ExtraBold