No.1068

大阪・関西万博

2025.08.29

万博で使われた施設・モノのリユースマッチングプラットフォーム

万博サーキュラーマーケット ミャク市!

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概要

「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」とは、大阪・関西万博の施設やモノのリユースマッチングプラットフォーム。パビリオン・施設の「そのまま移築」、「建材・設備のリユース」、「什器・備品のリユース」という3カテゴリで、譲りたい人と再利用したい人を結び、万博閉会後の会場資源の有効活用と産業廃棄物の削減を図る。次世代技術・社会システムを万博に取り入れ実証・実装を行う「未来社会ショーケース事業」の「グリーン万博」の取り組みの1つで、万博会場全体を対象としたリユースは世界に先駆けた試みとなる。大阪・関西万博をきっかけに、リユースを前提とした博覧会やイベント運営の機運を醸成し、循環型経済(サーキュラーエコノミー)への転換を促すと期待されている。

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なぜできるのか?

脱炭素・資源循環の未来を描く「グリーン万博」事業

「未来社会ショーケース事業」は、万博会場を未来社会のショーケースに見立て、先進的な技術やシステムを取り入れて実証・実装し、未来社会の一端を実現することを目指している。「グリーン万博」はその中の1つで、脱炭素や資源循環に軸足を置き、多様な事業を行っている。空気中から二酸化炭素(CO2)を直接回収する設備を設置したり、水素とCO2で製造した「合成燃料」をシャトルバス(一部)に用いたり、リサイクルが難しく燃やされていた難再生古紙をトイレットペーパーに再利用したりと様々。「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」は、会場資源の有効活用で、持続可能な万博運営を実現する取り組みとして実施。2024年8月の会期前よりプラットフォームを設置し、需要と供給のマッチングを行っている。

万博全体の資源を循環させる仕組み

万博全体を対象に、会場資源を譲りたい人と再利用したい人を公募してつなぐプラットフォームを構築。発生時期などから3カテゴリに分けて公募やマッチングを行い、レガシーとして別の場所での再利用を可能にしている。
「施設等の移築」では、パビリオン・施設そのものの移築や展示品などのリユースを推進。大屋根リングの柱や樹木、トイレなどを含む。「建材・設備のリユース」は、建物に取り付けられているガラス・サッシ・タイル・木材などの建材や照明・空調・音響、案内板・マンホールの蓋・屋外ベンチといった多様な設備が対象。「什器・備品のリユース」の対象は、パビリオンや建物内の机・いす・キャビネットなどで、2025年10月頃から公募を開始する。2026年3月末まで実施する予定だ。

相性のいい産業分野

アート・エンターテインメント

リユースを前提としたイベント・展示会の企画制作

製造業・メーカー

万博資源を活かした家具・インテリア・アート作品などの制作

教育・人材

建材を使った積木・玩具やDIYキットで資源循環の意識を育成

IT・通信

全国各地のイベント・展示会の資材を再利用するマッチングサイトの開発

旅行・観光

移築した施設や再利用品などから万博の記憶を辿れるデジタルコンテンツの開発

この知財の情報・出典