No.1089

2025.11.25

あらゆる廃棄物を“炭化“し、素材に変える新循環ソリューション

.Garbon(ガーボン)

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概要

「.Garbon(ガーボン)」とは、炭化により廃棄物の素材化をビジネスレベルで可能にした次世代のソリューション事業。これまで分別や再生処理が難しかった有機系廃棄物を炭化し、 人工皮革・左官材・中綿・ペレット・顔料・活性炭・肥料など、多用途に使える高付加価値素材へと生まれ変わらせる。対象の廃棄物はプラスチック・衣類・食糧残渣・木くず・汚泥など、多岐にわたる。確立されたビジネスモデルによって、廃棄費用の削減と新たな収益源の創出を同時に実現し、 企業・自治体の2050年に向けた資源循環率向上の取り組みを力強く後押ししていく。

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なにがすごいのか?

新素材の「.Garbon Synthetic Leather 」(人工皮革)

「.Garbon Synthetic Leather(ガーボン・シンセティック・レザー)」は、.Garbonから生み出される循環型新素材の一つ。廃棄物由来の炭の粉末を樹脂に配合することで消臭・抗菌などの機能性が向上しており、昨今「リカバリーウェア」として話題となっている遠赤外線効果の実証も予定している。


なぜ生まれたのか?

大木工藝と株式会社Gabによる、サステナブル技術×ビジネス変革のタッグ

「.Garbon(ガーボン)」の炭化技術を実現するのが、大木工藝株式会社と .Gab Inc. のタッグだ。大木工藝の代表・大木武彦氏は、生成される炭化物をカーボンニュートラルや脱炭素に資する環境資材として活用する取り組みが、地球規模の課題解決につながる可能性を志している。この問題意識を踏まえ、.Gab Inc. はビジネスモデルの設計を担い、両者のタッグによる炭化技術と社会実装に向けた枠組みを構築した。

両社は独占ライセンス契約を締結し、炭化処理、素材開発、製品化の各工程を一貫して推進できる体制を構築した。これにより、炭化技術を活かした製品開発が体系的に進められる環境が整備され、技術の実用化と産業応用の促進が期待されている。

なぜできるのか?

無酸素での加熱 × 熱分解

炭化とは、廃棄物(Garbage)などの有機物を無酸素で加熱し、熱分解する処理方法。燃焼(焼却)のように酸素を大量に使用しないため、CO2排出量を約30〜50%抑えながら「炭化物(Carbon)」を生成することができる。処理された廃棄物のおよそ80%は熱エネルギーに、残り20%は炭化物として固形資源化されるため、焼却に比べてCO2排出量を削減しつつ、あらゆる廃棄物の再資源化を実現する。

事業として成り立たせるサイクルシステム

「廃棄物の削減(入口)」と「素材としての活用(出口)」の両面を持つGarbonは、廃棄物を炭化し素材へ変換する“Next Cycle(ネクストサイクル)”によって資源循環率を高める。これにより、①天然資源残余量の逼迫、②CO₂排出量、③環境流出といった課題の解決に貢献し、循環型社会に向けた“第4の解決策”となる。

相性のいい産業分野

生活・文化

人工皮革を生活雑貨に展開。本革代替ではなく「炭革」という新素材として受容

流通・モビリティ

車内コンソールや内装パネル、ハンドル部の人工皮革などに使用し、脱レザーの推進

住宅・不動産・建築

店舗内壁/什器の素材に活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 Gab