No.811
2023.10.11
お片付けをエンタメ化する“しゃべるおもちゃばこ”
ぐ〜ぐ〜モンスター
概要
「ぐーぐーモンスター」とは、おもちゃのお片付けにエンターテインメント性を持たせた“しゃべるおもちゃばこ”。「あかいおもちゃが食べたいな」「ふわふわのおもちゃが食べたいな」などのオーダーを音声で発し、注文通りにおもちゃを入れるとリアクションを返す。スマートフォンとダンボールを用いて、いやいや期の子どもでも、宝探し感覚で、遊びの延長としてお片付けできるプロダクトとして開発された。子どもが楽しみながら想像力や自己効力感を高め、親子の新たなコミュニケーションも育む。子育て世代に欠かせないお片づけを、楽しい遊びの延長に変えるツールになると期待されている。
なにがすごいのか?
お片付けにエンタメ性を持たせ、遊びの延長に変換
20種類のオーダーと20種類の応答で、子どもとのコミュニケーションを形成
動画や導入絵本、目入れなどでストーリー性を提供
なぜ生まれたのか?
おもちゃコンサルタント佐藤香織氏が、友人の子どもたちとレストランごっこ遊びをしていたときに思いついたアイデアから始まった。「何食べたい?」との子どもの問いかけに、「赤いものが食べたいな」と返すと、そのオーダーに応えようと目をきらきらさせながら一生懸命探す様子を見て、子育て世代のお悩みの1つである「お片付け」に使えるかもしれないと考えた。
アイデアに共感したKonelが、ゼロベースからの具現化に参画。プロトタイプ開発を進める中で、ダンボールを用いた組み立ても楽しめる筐体(きょうたい)のアイデアが生まれた。そこへ、ダンボール遊具などの企画・製造を手がけており、プロトタイプ1個から対応可能なタカムラ産業に声をかけ、企画開発を進めた。同時に、スマートフォンを組み合わせて、エンターテインメント性の軸となる音声発信・応答機能を開発。子どもとコミュニケーションを取りながら、お片付けをエンタメ化する、“しゃべるおもちゃばこ”を開発した。
なぜできるのか?
子どもとコミュニケーションを図るオーダー・応答機能
コミュニケーションを行う音声は、約20種のオーダー・約20種の応答と、多数なバリエーションを持たせている。色や形に加え、「ふわふわ」「つるつる」といったテクスチャ、「甘い」といった味覚などを指定したオーダーが可能。オーダー通りにおもちゃを食べさせると「おいし~い!」「もっと食べたい!」などのリアクションをハイテンションに返す。「シェフ呼んでください!」などの、大人も一緒に楽しめるシュールなリアクションも収録している。
スマートフォンを用いたアプリケーションの構築
スマートフォン端末のインカメラ・画像認識機能を用いて、色や形を識別するWebアプリケーションを構築。おもちゃの出入りや特徴を認識し、音声機能と連携してリアクションを行う。赤・青・黄・緑の色判別ができるため、幼児に色を教えるツールとしても活用できる。
軽量で加工しやすいダンボールの活用
親子で簡単に組み立てでき、丈夫で配送しやすく安価に提供できる素材として、ダンボールを採用。ダンボール箱の四角いイメージを抑えて可愛らしく見え、工作のしやすさや強度を兼ね備えたデザインを目指して、素材や形状の検討を重ね開発に至った。外箱には、腕や羽などの装飾パーツを印刷して、飾り付け・アレンジを可能にし、組み立てから親子で楽しめるような仕様にしている。
モンスターの世界に誘うストーリー性
動画や導入絵本などを提供して、「ぐーぐーモンスター」の物語・世界観を共有。さらに、モンスターの目となる“おめめシール”を複数種類提供して、目入れで魂を入れて完成させるというステップを提供。親子でその世界に入り込んで楽しめるよう、プロダクト全体にストーリー性を持たせている。
相性のいい産業分野
- 教育・人材
習慣化させたいことに遊びを取り入れる教育スタイルの定着
- アート・エンターテインメント
片付けやゴミ拾いなど、回収することを楽しむエンタメの提供
- IT・通信
アニメキャラクターや親族の声、方言などのバリエーションを持たせた音声機能の開発
- AI
多様な画像認識と情報把握、応答を可能にするAIの開発
- 資源・マテリアル
リサイクル・リユースのモチベーションを高める街角や店舗BOXの設置
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Konel