No.238
2022.06.20
“ゼロ・ウェイスト”を実現するサステナブルなクラフトビール
KAMIKATZ BEER(カミカツビール)
概要
「KAMIKATZ BEER(カミカツビール)」とは、ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)活動を推進する徳島県上勝町の特産品を原料にしたオリジナルクラフトビール。従来は廃棄対象だった柚香(ゆこう)の搾汁後の皮や、乳酸菌発酵で作られた上勝阿波晩茶を素材に使用し、上勝ならではの味わいを実現した。また、「KAMIKATZ BEER」のクラフトビール工場では、製造過程で出る生ごみを再資源化して液体肥料を生成し、さらにこの液肥でビールの原料である麦を栽培することで残滓(ざんさ:濾過したあとなどの残りかす)を無駄なく有効活用。上勝町内の循環型社会(サーキュラーエコノミー)を促進し、ゼロ・ウェイストを実現するビールとして期待されている。
なぜできるのか?
上勝の名産品を有効活用
「KAMIKATZ BEER(カミカツビール)」の香り付けには、乳酸菌を用いた独自の発酵技法で作られる上勝阿波晩茶や、上勝の特産品として知られる柚香(ゆこう)の皮など、上勝ならではの素材が使用されている。このうち柚香の皮は、ポン酢用に果汁を絞ったあとに残った皮が活用されている。上勝町から出るごみをゼロにするゼロ・ウェイストの理念を守りながら、上勝の名産品を活用したビールの生産が可能になった。
ビールごみを工場で資源化
開発元のRISE&WIN Brewing Co.では、上勝で実現したい資源循環システム「reRise」の一環として、ビールごみの資源化を実施。製造過程で排出される「モルトかす」や「濃度の高い廃液」などを微生物分解することで液体肥料を生成し、それを肥料にビールの原料である麦の栽培を開始した。これにより、従来廃棄されていたビールごみをリサイクル可能になった。
高品質な液肥を生成し循環型社会に貢献
ビールごみから作られた液肥には、乳酸菌とアミノ酸が豊富に含まれており、病気や害虫にも強く、苦味やエグ味の少ない甘みのある作物を育てられる。RISE&WIN Brewing Co.では、この液肥を上勝町内の農業従事者に無料で配布。上勝町内の循環型社会の実現に貢献している。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © RISE&WIN Brewing Co.(株式会社スペック)