No.1054

Tech Direction Awards受賞作品

2025.08.05

集中状態を地形に変換し、“チームのマインド”を風景として可視化する体験型インスタレーション

Mindscape Entry

08 OPEN HUB

概要

「Mindscape Entry」とは、脳波の変化をリアルタイムで可視化する体験型インスタレーション。イヤホン型の脳波計で脳波を計測・解析し、デジタルの“地形”として等身大のディスプレイ上に映し出す。神経科学に基づく「ニューロミュージック」を組み合わせ、脳を集中・リラックス状態へと誘導。集中が高まると山が隆起し、リラックスすると穏やかな地形になるなど、脳の状態を視覚的に表しながら、“脳をととのえる”体験ももたらす。生成AIで地形データを実写化する機能も備え、体験者ごとに異なる風景を描き出す。事業コンセプトの創造と社会実装を目指す活動拠点 「OPEN HUB Park」のインスタレーションとして提供しており、メンバーの一体感を醸成して、共創や新たな事業創出を促すと期待されている。

Mindscape_sub1

Mindscape_sub3

Mindscape_sub2

なぜできるのか?

ウェアラブル脳波計とニューロテクノロジーの活用

VIEが開発した脳波計とニューロテクノロジーを用いている。イヤーチップに電極を搭載したウェアラブルな脳波計で、外耳道(耳の入り口から奥の鼓膜までを結ぶ通り道)から脳波を取得。一般的なイヤホンと同じ装着方法で、音楽を聴きながら脳波を測定できる。
音楽には同社構築の「ニューロミュージック」を採用。脳波に影響を与えるよう科学的に設計した音楽で、リラックス状態(シータ波)から集中状態(ガンマ波)まで誘導する。脳が特定リズムに同調しやすくなるよう音に仕掛けを施しており、音楽に身をゆだねるだけで“脳をととのえる”ことができる。
計測データは、脳波解析システムでリアルタイムに解析し、集中・リラックス度合いを捉えて地形に反映。音楽のリズムや音の強さに応じて光や粒子が動く演出も加え、視覚と聴覚を合わせた没入体験を提供している。

事業共創プログラム「OPEN HUB for Smart World」

NTTドコモビジネスが手掛ける事業共創プログラム「OPEN HUB for Smart World」の一環として展開している。“未来をひらく「コンセプトと社会実装」の実験場”と位置づけ、2021年10月からプログラムを開始。持続可能な社会「Smart World」を目指し、ビジネストレンド・事例共有のほか、多様な専門家によるプログラムの開催、企業の垣根を超えたリアル・バーチャルのつながりや共創環境などを提供している。
「Mindscape Entry」は、リアルの活動拠点「OPEN HUB Park」のエントランスに常設。エントランスを囲むように配置した7台の等身大LEDディスプレイでインスタレーションを行う。脳波×音楽×生成AIの組み合わせにより、リアルとバーチャルを横断するような新たな体験を提供。また、同時体験した人の脳の風景を合わせて画面表示し、一体感や共創マインドも生み出す。

相性のいい産業分野

教育・人材

ワークショップや会議を活性化させるツールとして活用

生活・文化

朝や昼休みなどにリラックス・集中状態を可視化して切り替えを促進

IT・通信

来場者の脳波と連動して光・映像などが変わる空間演出を構築

アート・エンターテインメント
  • 美術館などの音声ガイドに採用し、内容に応じて集中・リラックス状態を深化

  • 体験型エンタメ施設などでゲーム・イベントを進めるコマンドに利用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image : © VIE 株式会社