No.845

2024.05.08

キノコの菌糸体からつくる、植物由来の新素材

マッシュルームレザーMYCL

 

概要

「マッシュルームレザーMYCL」とは、キノコの菌糸体を原料としてつくられるヴィーガンレザー。薄く培養して重ねたキノコの菌糸体がそのまま生地になっており、他の原材料などを混ぜ合わせていないため、100%自然に還る素材となっている。キノコが育つ過程で生じる色の濃淡と凹凸はレザーごとに異なり、他に同じ模様の無い唯一無二の表情が生まれる。持続可能なヴィーガン素材として家具やファブリックに、また、ボード状にすることで建築資材などへの活用が期待されている。

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なにがすごいのか?

  • 100%キノコの菌糸由来で動物由来の原料不使用

  • 皮革のような質感を実現

  • 菌糸由来の独自の表情が魅力的なエシカルな素材

なぜ生まれたのか?

開発元のMYCL Japanは、長年キノコ栽培に携わりながら、キノコの食以外への可能性を模索してきた。もともと高品質として知られている長野県信州のキノコから、「衣」「住」の分野で活用可能な高品質の素材を生み出すことを目標とし、日本初のMade in Japan菌糸素材の研究開発を進めてきた。

なぜできるのか?

天然素材100%の原料

薄く重ねたキノコの菌糸体(キノコを構成している糸状の細胞の集まり)からつくられる。培養過程でプラスチック樹脂、石油由来や化学物質の使用を大幅に抑え、また、動物由来の原料を一切使用しないため、自然に還りやすい循環型の天然素材となっている。

菌糸由来の素材だからできる再循環

培養過程で生じる廃棄物をコンポスト化することで、農産物栽培などへの再利用を実現。また、マッシュルームレザーを収穫した後に残る土台を圧縮することで、建築材やインテリア資材として活用可能なマッシュルームボードを製造できる。

優れた肌触りとナチュラルな風合い

菌糸の特性を活かした、柔らかくて滑らかで、手に吸い付くような触り心地が特徴。柄と色の濃淡は自然発生により同じものが二つと存在しない一点ものとなる。また、独自の技術により高い強度と耐久性を持つ。

相性のいい産業分野

資源・マテリアル

衣服や家具などの素材となる動物性レザーの代替として活用

住宅・不動産・建築

内装材や家具の表面材料に活用し、オリジナリティのある空間を演出

食品・飲料

国内のキノコ農家とノウハウを共有することで産業を活性化

生活・文化

一点もの表情を持つプロダクトや小道具、アパレルブランドへの活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © MYCL Japan 株式会社