No.843
2024.04.30
紙を用いたサステナブルな使い捨て歯ブラシ
紙製歯ブラシ
概要
「紙製歯ブラシ」とは、紙を素材に用いたサステナブルな使い捨て歯ブラシ。FSC™認証を受けた国産紙で歯ブラシ本体を形成し、ブラシ部分には植物由来の樹脂毛を用いて、環境に優しい使い捨て歯ブラシを構築している。プレス加工技術で本体に強度を持たせており、2~3回使用可能。また本体は生分解性を持ち、コンポスト(堆肥化)できる。プラスチック製品に代わる新たな選択肢として、他アメニティへの展開や国内外の宿泊・レジャー・商業施設での活用などが期待されている。
なぜできるのか?
紙製品の設計・開発力とプレス加工技術
エステックが持つ紙製品の設計・開発力と、プレス加工技術を用いて開発した。同社は、オーダーメイドの製品設計・開発、量産化までを手がけている。作製にはシート材プレス打ち抜き加工技術を活用。紙用打抜機で紙材を歯ブラシ本体の形に抜き、複数枚重ね、約150トンの力でプレスして圧着。トウゴマ由来のひまし油が原料の「PA1010」で形成した毛束を植毛して、歯ブラシを構築している。紙にほどよい圧力をかけることで、水の浸透を抑えて強度を保ち、2~3回使える「紙製歯ブラシ」を実現している。
紙製カトラリーの開発実績
紙製カトラリーの開発実績がベースにある。紙製カトラリーは、植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)で耐久性を高めた高強度紙に、プレス加工などを施して作製。原材料への圧力のかけ方を数%単位で微調整しながら試作を重ね、プラスチック製に勝る強度の紙製スプーンを実現した。開発技術を応用し、紙製フォークやナイフなどに展開。その後、紙で歯ブラシを作る依頼を受け、紙製カトラリーの製造技術をもとに「紙製歯ブラシ」を開発した。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
・特開2023-150565
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 エステック