No.844
2024.04.22
なめし加工でつくる持続可能な「魚の革」
Fish Leather(フィッシュレザー)
概要
「Fish Leather(フィッシュレザー)」とは、なめし処理をほどこした“魚の革”。魚特有の繊維がクロスハッチ構造による強度を持ち、魚ならではの美しい鱗模様が特徴的である。廃棄される魚の皮を原料とし、植物成分のタンニン皮に浸透させることでレザーへと加工する。9割がそのまま焼却処分されているという魚のアラを活用できる可能性があり、新しいエコレザー素材として期待されている。
なぜできるのか?
植物由来の「タンニンなめし加工」
動物の「皮」を、丈夫でしなやかな「革」へと変化させるには「なめし」と呼ばれる作業を行う。フィッシュレザーは緑茶やワインにも含まれている渋味の成分のタンニンを使う「タンニンなめし」により皮を丈夫にする。植物由来の成分を使用するため、環境に優しい加工法となっている。
生の魚の皮を革製品へ
魚屋などから廃棄される皮を回収して活用。魚の皮は刺身などに加工する際に廃棄されしまうものを使っている。皮を含め頭や内臓などの魚の廃棄部分は年間66万トンに及ぶと言われている。
脂分・水分の除去
皮についた脂分は生臭さを引き起こす原因となり、水分は腐食の原因となる。一枚一枚丁寧に皮から身を削ぎ、塩漬けにして乾燥保存する。旬によって魚種や厚みの違う皮を選別・保存することで均一な仕上がりにしていく。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © tototo