No.1015
2025.02.21
最先端バイオテクノロジーで再現した“龍の肉”
龍肉
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概要
「龍肉(りゅうにく)」とは、空想上の龍の肉を最先端テクノロジーで再現したバイオアート。龍にまつわるさまざまな伝承をもとに龍のDNAを合成し、独自開発した植物由来の細胞で培養して生成した。畜産に伴う環境破壊、日本の食料自給率の低さ、動物愛護といった社会課題や価値観をベースにした取り組み。「培養肉・代替肉」を拡張して実食できる龍の肉を構築することで、現代の食・環境・社会について問題提起し、既存の生態系と調和しながら解決に導くことを目指している。「培養肉・代替肉」をはじめ、新たな食の形への理解を深めて活用を促し、未来の食の安定供給や豊かな生活をもたらすと期待される。
なぜできるのか?
「龍のDNA」の具現化
頭はラクダ、身体は蛇、掌は虎など、さまざまな龍の伝承をベースに、龍を構成するとされる動物や細菌のDNAを合成して設計図を構築した。設計には動物実験や動物からのDNA採取は行わず、オープンソースのDNAデータを活用。AIも用いながらコンピューター内で組み合わせた。構築したDNAの設計図をもとに、DNA製造を手がける米バイオ企業に協力をあおぎ、「龍のDNA」を完成させた。
バイオテクノロジーを用いた肉の生成
植物由来のタンパク質を使って独自開発した細胞に「龍のDNA」を注入。培養液で細胞を育み、「龍肉」を実現した。開発は有識者をメンバーに招いて推進。大手化粧品会社で再生医療の研究に従事しながら、ライフワークとして培養肉・培養液の研究開発に取り組んでいる研究者が参画した。それにより、奇をてらった創造物ではなく、最先端のバイオテクノロジーを活用した、現実的に食べられる龍の肉を生み出した。
2024年8月には、国立新美術館で開催したアートイベント「NAVIGATE ARTS」で「龍肉」を初公開。国内外から注目を集めた。2025年春には東京と大阪で試食会を予定している。
相性のいい産業分野
- 食品・飲料
「龍肉」パテが選べるハンバーガーなど特別メニューの開発
- アート・エンターテインメント
映画やゲームなどに登場する空想上の生き物を食べられるイベント・展示の企画
- メディア・コミュニケーション
アートとサイエンスを融合した作品として国内外で展開
- 教育・人材
DNAの設計・培養技術や環境負荷を減らす活動の教材に活用
- 旅行・観光
「龍肉」実食をメインコンテンツとしたエコツーリズムの展開
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Transeeds 株式会社