No.976
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2024.11.04
あらゆる環境に実装できる、設計自由度の高いスピーカー
超薄型シートスピーカー
概要
「超薄型シートスピーカー」とは、あらゆる環境に実装できる設計自由度に優れたスピーカー。厚さ約0.2ミリメートルと超薄型で湾曲できる柔軟性を持ち、高音質・広帯域で音を再生する。また耐水性・耐熱性などの機能性を付与可能で、環境を選ばずに実装できる。従来技術の強みを継承しながら、フレキシブルな構造とコストメリットを持つスピーカーとして試作品を構築しており、協業による技術・製品開発を目指している。振動検知などと組み合わせた活用も可能で、スマート家電やIoT機器などの設計・デザインの幅を拡げると期待されている。
試作品(写真左)・スピーカ搭載イメージ(写真右)
なにがすごいのか?
高い耐環境性能、軽量性、柔軟構造
環境による実装場所を選ばない仕様設計
スマート家電等の、デザイン設計の幅を拡げることが可能
なぜ生まれたのか?
IoT機能を搭載したスマート家電にとって、音声出力でユーザーに情報を伝える機能は必要不可欠なものである。しかし、従来のブザーやダイナミックスピーカーは、音の再生帯域が限定されたり、伝達すべき情報量が欠如したりするという課題があった。さらにフレームが硬く、嵩(かさ)高いために筐体のデザイン性の自由度を制限していた。
「超薄型シートスピーカー」はブザーの低コスト、ダイナミックスピーカーの”広帯域再生”といったそれぞれの利点を兼ね備えたスピーカーとして生まれた。また、従来のスピーカーにはない“柔軟構造”を備えており、オリジナルの技術によって音質をできる限り損ねることなく、耐環境性能を向上させることを実現した。
なぜできるのか?
軽量で柔軟な構造設計
厚さ0.2ミリメートル、大きさ30ミリメートル四方の軽量・柔軟なシートスピーカーの試作品を構築。ブザーやダイナミックスピーカーなどの従来技術で課題だった、嵩(かさ)高く、湾曲しないことによる仕様・筐体デザインの制約を解消した。また、制約に伴う音の再生帯域の制限や情報量の欠如なども低減。音のクオリティレベルを確保しながら、自由な製品設計・デザインを可能にしている。
従来技術の利点を生かした技術開発
大きな音を発生させる「圧電ブザー」や可動コイルで音波を放射する「ダイナミックスピーカー」の構造的利点を生かして開発した「カードスピーカー」の技術がベースにある。2000年に商品化した「カードスピーカー」は、薄型かつ高音質・広帯域で音を再生でき、耐環境性能を持つ。
低コスト化と性能強化の両立
「超薄型シートスピーカー」ではフレキシビリティ構造を採用し、さらに低コスト化を実現した。性能も強化し、再生帯域は500Hz~4kHzを確保。特殊保護フィルムの搭載で、IP68等級の防水・防塵性能や氷点下20度~85度の耐冷・耐熱性、振動・落下に対する耐久性などを持たせることができる。
振動検知への応用
音響再生との併用で、振動センサーとしても応用することが期待できる。家電や機器に組み込むことで、異常な振動や微細な変化を検知するブザーとして機能する。
相性のいい産業分野
- 生活・文化
スマート家電・IoT機器・家具などのデザインや意匠を損なうことなく音声出力機能を搭載
- 食品・飲料
圧電ブザーをコーヒーメーカーのセンサーとして転用し、振動の変化により豆の挽き終わりをチェック
- 製造業・メーカー
洗濯機に振動検知として組み込むことで、衣類による偏心時の異常振動などをチェック
- 流通・モビリティ
自動車・飛行機・電車などの内蔵スピーカーとして活用
- アート・エンターテインメント
音楽再生や通話ができる衣類・アクセサリーの開発
- メディア・コミュニケーション
音声によりユーザーに情報を伝えられるインクルーシブなカードデバイス
この知財の情報・出典
・特許第6775201号
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : パナソニックIPマネジメント株式会社