No.841

2024.04.26

金属を用いずに金属調光沢を実現し、電磁波を透過するフィルム

PICASUS®(ピカサス)

picasus

概要

「PICASUS®(ピカサス)」とは、金属を用いずに金属調光沢を実現でき、光や電磁波の反射・透過の波長帯域を思い通りに制御できるフィルム。フィルム各層の厚みはナノメートルレベルで高精度に制御でき、数百層もの厚みを個別にデザインすることが可能。スマートフォン、パソコン、家電、車載など様々なアプリケーションの機能性加飾用途に最適であり、メッキ・塗装の代替、未来のインターフェイスの素材としての活用が期待されている。

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なぜできるのか?

金属フリー&金属質感

「PICASUS®」は独自のナノ積層技術とポリマー技術を駆使しており、金属を用いずに金属調の光沢を発現させることができる。独自の光学設計技術によって、高精度にナノ傾斜積層構造を形成。可視光線領域を干渉反射することで、金属を使わずに自然な金属光沢調を実現している。

光と電磁波の透過性

金属調でありながら光透過性にも優れ、LED・LCDと組み合わせた新たなデザインが可能となる。また、高い電磁波透過性により通信機器のアンテナ機能を阻害することがなく、電子機器のデザイン自由度を高める。

優れた成形性

独自のポリマー設計技術および重合プロセス技術により、「PICASUS®」は金属調光沢の実現に加えて層間密着性、成形性が飛躍的に向上した新規ポリマーとなる。これによりインサート成形、熱プレス成形、真空圧空成形など各種成形技術も適用可能となる。

相性のいい産業分野

メディア・コミュニケーション

広告パネルにフィルムを組み込み、電子デバイスと連動させることで屋外広告をインタラクティブ化

ロボティクス

ドローンの外装にフィルムを使用し、飛行中の通信信号の遮蔽を最小化

生活・文化

街灯にフィルムを組み込み照明効果をスマート制御

製造業・メーカー

電磁波透過性と光透過性を活かした、薄型テレビのデザイン性向上

資源・マテリアル

水道の蛇口などの受光部を金属調のフラットなデザインにするなど、ホームマテリアルに活用

IT・通信

普段は鏡にしか見えないものに直接映像を映し出すことができるタッチパネル

流通・モビリティ

軽量化で樹脂化の進む自動車の、内外装の多様化・多機能化

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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