No. 005 音声から気分・感情を判定するAI

Empath(エンパス)

「Empath」は音声の特徴から感情・気分の状態を判定することができるAIエンジンである。数万人の音声データベースを元に、独自のアルゴリズムで喜怒哀楽や気分の浮き沈みを判定することを可能にした。

なにがすごいのか?

  • 声色、トーン、スピード、強さなど様々な指標を解析している
  • 音声を解析しているため、言語に依存しない
  • WebAPIによるリアルタイム解析が行える

なぜ生まれたのか?

Empathは東日本大震災後に医療現場を支援する企業のプロダクトとして生まれた。ボランティアが被災地で鬱になってしまう問題があり、早めにカウンセリングを受けてもらうため、メンタルヘルス悪化時の早期発見を目的として開発されている。発語した文章での判定では被験者の本意が検知できない可能性があるが、音声での判定のため、客観的な解析を提示することができる。
今後様々な分野での応用が見込まれ、コミュニケーションをサポートする新たなテクノロジーとして注目されている。

妄想プロジェクト

朗読上手なリーディングAI

Empathのエンジンを用いて感情を込めた抑揚を逆生成することで、朗読上手なリーディングAIを育成する。楽しいとき、寂しいとき、眠たいとき。話しかけるだけでその子の感情を読み取り、今一番聞きたいトーンの声でお話を読み聞かせてくれる。そのときの気持ちに寄り添った、最高の話し相手になってくれるだろう。

実現プロジェクト

コールセンター向け共感AI「DARUMA」

顧客とオペレーターの音声から感情をリアルタイムで解析、その結果をもとにバーチャル・アシスタント「DARUMA」が通話中のオペレーターに寄り添いサポートする。業務過多で個別のオペレーターに対してのフォローができない管理者に代わり、DARUMAがオペレーターを褒めてサポートした結果、出席率の向上やオペレーターのモチベーション維持に寄与した。オペレーターに対するモニタリングを効率化しフォローが必要なオペレーターをリアルタイムで検出するとともに、オペレーターの成長を促進し、アウトバウンド・コールでの成約率向上も実現している。

エモいガチャ「Emotional Candybox」

場の雰囲気を検知し、盛り上がった際にガムがコロンと1つ出てくるガチャ。Empathによるリアルタイム解析により、場の盛り上がりを可視化し、閾値を超えるとガチャが回る仕組みとなっている。会議での盛り上げを加速するともに、結果をデータ化することで盛り上げ上手なメンバーを抽出できる可能性がある。

 

なぜできるのか?

数万人の音声データをもとに、複数の音声指標で解析

Empathはボリューム、ピッチ、スピード、イントネーションなど音声の物理的特徴量を解析することで感情を測定している。その根底にあるのは機械学習モデルであり、数万人の音声データをいくつかの音声指標に聞かせ、うち複数が”この人は怒っている”、と判定したデータのみをAIの学習の元になるデータとして採用している。

WebAPIによるリアルタイム解析とデータの蓄積

Empathの感情分析エンジンはWebのAPIとしてリアルタイムに解析を行うことができるが、そのリアルタイム解析を支えているのは独自のアルゴリズムによる高速処理の実行だ。
また、WebのAPIユーザーからも音声データを獲得しており、その数は日に日に増大し、アルゴリズムも日々修正を繰り返されている。

相性のいい分野

ヘルスケア
メンタルヘルス状態を利用したサービスの開発
ロボティクス
ロボットと人のコミュニケーションをサポート
人事 / コールセンター
感情を利用した人材管理・モチベーション維持ツールの開発
IoT / M2M
様々な音声デバイスとセットで感情を利用したサービスの開発

知財情報

主な知財ホルダー:株式会社Empath

・商願2014-35949:「Empath」
・特開2019-28732:「音声等から気分を解析して動作を制御する装置」(特許出願中)

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

Yasuhiro Ogino
荻野 靖洋 Yasuhiro Ogino
Technical Director / Konel Inc.

1985年静岡県生まれ。幼少期から高校生までをアムステルダムで過ごす。フリーランスエンジニアとして活動する傍らで、Konelを共同創業し、WEB/インスタレーション/AI/ロボットなど幅広い技術分野の開発・ディレクションを手がける。宇宙・食・脳波など、まだまだ未開拓なテクノロジーに関心がある。 誰にも仕組みがわからない物を作りたいと考えている。