No. 073 超高速・液体3Dプリンター

Rapid Liquid Printing

この知財は、MITの研究グループ「Self-Assembly Lab」がSteelcase Inc.と共同開発し、2017年に発表した革新的な液体3Dプリント技術である。このシステムでは、ロボットアームの先端に取り付けられたノズルから特殊な材料を吐出し、液体(ゲル)中で化学反応により硬化させ、造形物を作る。これにより、従来は大きさや形状に制限があった3Dプリントにおいて、複雑な形も短時間で生成が可能に。大型製品の量産や、繊細な造形物の再現など、応用可能性も幅広い技術だ。

なにがすごいのか?

  • 従来は再現が難しかった複雑な形状を3Dプリントできる
  • 1デザイン当たりわずか数分しか掛からず、従来方式をはるかに上回るスピード
  • タンクサイズを拡大すれば、大型製品もプリント可能
  • 3Dプリント工程を終えた造形物は簡単に取り出すことができ、後処理工程が不要


なぜできるのか?

ゲル状の液体の中で硬化

コンピュータ制御によるロボットアーム先端のノズルから特殊な材料を出し、液体(ゲル)中で化学反応により硬化(堆積)させ、物を生成する。ゲルが生成物をサポート構造し、液体中に浮いたような状態のまま複雑な形状を3Dプリントできる。

手軽な操作で高速プリント

1デザイン当たりわずか数分という速さでプリント可能なうえ、3Dプリント工程を終えた造形物は簡単に取り出すことが可能で、面倒なサポート除去作業など、後処理工程がいらない。

素材や大きさを選ばない汎用性

プラスチック、ゴム、ポリウレタンなどの材料で生成可能。またゲルを入れるタンクサイズを拡張すれば、大型家具の3Dプリントなどもできる。すでに自動車メーカーの材料開発への協力が始まっているなど、汎用性が高い。

相性のいい分野

アート
職人の手に頼られていた複雑な民芸品や細かい作品の量産
教育
複雑な地形の地球儀を正確な縮尺で再現した、リアルな地理学習
建築
途上国や災害被災地等で使える簡易住居
インテリア
人間や動物、自然データなどを取り込んだリアルで精巧なオブジェ
医療
リハビリや治療などに用いるサポート材の出力

知財情報

主な知財ホルダー:Self-Assembly Lab(MIT)、Steelcase Inc.

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

丑田 美奈子 Minako Ushida
Writer / Konel Inc.

1982年神奈川県相模原市生まれ。ライター・プロデューサー・バックオフィサーの顔を持ち、活字と音楽をこよなく愛する。別名・最もテクノロジーから遠い超文系知財ハンター。彼女の琴線に触れる知財とはすなわち万人に届きやすい知財であることを意味する。未来を作る教育関連の知財や食関連など、実用性が高く生活に密着する知財を日々探している。