ネオジム磁石
ネオジム磁石は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石(レアアース磁石)の一つで、1980年代の発明以来、現在に至るまで世界最強であり続けている永久磁石。自然界に豊富な鉄を主原料とするため産業界において急速に普及し、ハードディスクや家電・自動車等の基幹部品として欠かせないものとなった。高効率で電力節約につながるエコロジーな側面も注目されており、今後はロボットや電気自動車をはじめさらに多様な分野への応用が見込まれている。
なにがすごいのか?
- わずか1グラムで3キロの鉄を持ち上げる磁力
- 自然界に豊富な鉄とネオジムが主原料なため量産が可能
- スマートフォンから電気自動車まで幅広い利用範囲
- 動力の高効率化につながり、環境問題にも貢献
なぜ生まれたのか?
もともとはコンピュータ回路に使われていた磁石の研究を行なっていた佐川眞人氏が、住友特殊金属(現・日立金属)にて、ネオジム-鉄-ホウ素(Nd-Fe-B)系合金が磁石として有望であることを見出し、ネオジウム磁石を開発した。当時の「鉄では鉄原子同士の距離が近すぎるから磁石はできない」という説に対し、鉄原子の間にホウ素という小さな元素を入れて間隔を広げるというアイディアを具現化し、それまでの最強磁石であったサマリウム・コバルト磁石の磁力を超え、かつ廉価に量産できる新磁石の誕生に至った。