No. 131 塗るだけで木の寿命が飛躍的に向上する液体

液体ガラス

液体ガラスは、木材の弱点を克服し、木本来の香りや木目の美しさを保つことを可能にした世界初の加工塗料。従来の塗料に比べ、着色性・伸縮性・屈曲性に優れ、環境負荷も少ないことから、近年、古い文化財や新しい施設への使用が広がっている。今後も木・竹・紙などを本知財で保護することで、インフラや建築、その他の領域において改質、強化、保全、補修を実現することが期待されている。

なにがすごいのか?

  • 木材の弱点(傷み、可燃、汚れ、腐食、カビ、シロアリ食害、紫外線劣化など)を克服する新素材
  • 人体や環境へ悪影響を与えず、長期にわたって性能が持続
  • 木材以外の天然素材とも高い融合性

なぜ生まれたのか?

戦後、コンクリート建造物は日本のインフラストラクチャーの支柱となってきた。ところが、近年になって、コンクリートの耐久性や老朽化といった問題が顕在化してきている。株式会社ニッコーの塩田政利はこの問題を早期より認識し、商品開発に取り組んできた。木材の改質を無害・無公害・無添加で再現し、腐らない・シロアリに食われない・退色しない、そういった特色を持つ新素材と技術を四半世紀にわたり追い求め続けた結果、液体ガラスは生まれた。

厳島神社や伏見稲荷ほか全国の神社、仏閣、木造建築物、山手線高輪ゲートウェイ新駅、九州豪華列車「ななつ星」など、新旧の建造物にも採用されている。

なぜできるのか?

有機物の特性を維持しつつ無機質の特性を獲得

無機質のナノ化されたコロイドガラスを有機物である木材の中心部まで含浸させコーティングすることで、密着性・硬度・防腐性・防蟻性・耐火性を高める。これにより、自然呼吸と湿度調整という木材本来の特性を生かしつつ、木材の欠点を克服することができる。

長期耐久性と医学的安心を実現

有機溶剤塗装の場合、有害成分が漏出する危険もあるが、本知財では防炎プライマーとの併用により降雨時でも防炎剤が漏れ出さない工夫もなされている。

相性のいい分野

建築
資産価値を永年保つことができる、戸建てマイホーム
医療
無機質な空間でない、木材の呼吸と温もりを感じられる病棟
長年コーティングが持続し、子どもが口に入れても安心できる、家族みんなの愛用箸

知財情報

主な知財ホルダー:株式会社ニッコー

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

清水 覚 Satoru Shimizu
Planner / Yahoo! Japan

上智大学理工学部物理学科卒業後、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科を経て、2014年電通ヤング・アンド・ルビカム(株)入社。入社以降、プランニング職に従事。2017年よりヤフー株式会社にて、現職に至る。


知財ライティング: 小髙充弘