Houdini(フーディニ)

Houdini(フーディニ)は、コンピュータグラフィックス(CG)における手続記述型モデリング(Procedural modeling)のための代表的なソフトウェア。デジタイザやモーションキャプチャを使用して明示的に形状を記述する手法とは異なり、形・動き・色に現れる生成規則をプログラミング言語や数式を用いて論理的に表現することができる。将来的には、莫大な工数が必要とされるオープンワールドゲームの人工物・背景の自動生成や、古典的装飾様式の大量生産などへの応用が期待されている。
なにがすごいのか?
- 高度なヴィジュアルエフェクト(VFX)を実現するソフトウェア
- 他者とワークフローを共有することで開発効率が格段にアップ
- プログラム実行毎に異なるCGを自動生成可能
なぜ生まれたのか?
CGの歴史の中で様々な言語やツールが開発されてきたが、「自然界の現象を再現するシステムを作る」という目的に関しては、これと言える決め手がなかった。たとえば、「Processing」は2次元のシミュレーションに強みがある一方で、複雑な3次元形状はモデリング機能の不足ゆえに作成が難しいし、「Maya」は複雑な3次元造形に強みがある一方で、数理的なコントロールは不得手だと言われている。
Houdiniは、こういった問題点を解決するものである。従来存在しなかったProcedural CGモデリングに特化したソフトウェア「PRISMS」(1987年)の後継として1996年に登場して以来、ハリウッド映画やビデオゲームでの活用事例が認知され、加えてパーソナルコンピュータの普及や3Dプリンターの民主化に伴うメイカー・ムーブメントを受け、徐々に知名度を上げてきた。現在もなお、主に建築分野で進展してきた「アルゴリズミック・デザイン」の手法を異分野に波及させ、よりバイオモーフィックな形態を実現できる手立てとして、ますます期待が高まっている。