合成繊維に金属粒子を固定する技術
本知財は、合成繊維に金属粒子を固定する技術である。この技術により、化成品の合成においてフロー反応を行うのに好ましい、金属粒子が合成繊維に固定された触媒を製造することが可能となる。石油化学を除く化成品の製造において、現在主流のバッチ反応による製造は、活性炭やシリカなどの多孔質を土台として用いており、各ステップでの精製工程が必要であることや、反応後多量の廃棄物が排出されることが問題となっている。一方、本技術により製造された触媒を用いることで、より効率的、かつ廃棄物をできる限り排出しないクリーンな合成が可能となる。
なにがすごいのか?
- 化成品製造へのフロー反応適応に貢献
- 多種多様な金属粒子を合成繊維に固定可能
- 化学結合を介した固定により、金属粒子の安定化を実現
なぜ生まれたのか?
石油化学ではフロー反応による連続的な精製が行われている一方、医薬品をはじめとする化成品の合成においては、未だ非連続的なバッチ反応が主流である。その背景として、化成品のフロー反応による合成に好ましい触媒の供給が難しいという点があるが、荏原製作所が得意とする放射線グラフト重合を用いることで、課題であった適当な触媒の安定供給(開発)を実現した。