No. 201 軽量ステルス型トンボドローン

DragonflEye

「DragonflEye」は、生きたトンボを好きな場所へ飛ばすことのできる、ステルス型の生体ドローン。制御装置を取り付けられたトンボは、背部のソーラーパネルから供給した電力で装置を稼働させて滑空し、センサーで情報を収集する。往年の課題であったドローンの小型化について、トンボをそのままドローン本体に流用するという驚くべきアイデアで解決している。将来的には、被災地での救助支援や人間が足を踏み入れにくい場所での調査支援などへの活用が期待されている。

First Look: Behind-the-scenes with DragonflEye from Draper on Vimeo.

制御装置という名のバックパックを背負ったトンボは、大空を目指して静かに飛び立つ。

なぜできるのか?

ドローンの静音性に適した「翅」(はね)

ステルスドローンには静音性が求められるが、トンボはその翅の構造から、生まれながらにして静音性を備えていると言える。トンボの翅表面の凸凹は外側に小さな空気の渦を発生させて風を後方へ流す作用を持っている。この特殊な翅の構造ゆえに、トンボは微風であっても安定した揚力を発生させて静かに飛び立つことができる。

制御可能にするための柔軟な「オプトロード」

従来の光ファイバーは硬く細いために曲げにくく、トンボの脳神経に取り付けられなかった。そこでDraper社は、1mm未満の極小サイズでも曲げやすい「オプトロード」(光を照射する光ファイバーと電気刺激を与える電極を組み合わせた装置)を開発し、狙った脳神経に光パルス信号を送り込んで飛翔を遠隔制御することに成功した。

トンボの身体を労りつつ多くのデータを集められる「バックパック」

DrangonflEyeの背中には、小さなバックパックが取り付けられている。これには、飛翔を制御するためのオプトロード、情報を収集するためのセンサー、電力を供給するためのソーラーパネルが搭載されている。バックパックは取り外し式なのでトンボの身体を傷つけにくく、軽量サイズなのでトンボの飛翔距離・時間を長くでき、情報収集を十分に行える。

相性のいい分野

災害
雪崩れから逃げ遅れた登山者を高速で捜索する偵察ドローン
研究
場に溶け込むことで観察対象の生き物の警戒心を煽らないステルスドローン
エンターテインメント
長距離の飛翔を得意とするトンボの身軽さを活かした、世界縦断・トンボドローンレース

知財情報

主な知財ホルダー:The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.(チャールズ・スターク・ドレイパー研究所) / Howard Hughes Medical Institute(ハワード・ヒューズ医学研究所)

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

宮田 大 Dai Miyata
Creative Director / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。ブランディングから広告、映像、グラフィックデザインのクリエイティブディレクションが得意領域。Konelではプランからデザインまで自身で担当することも多い。アナログとデジタルを共有するプロダクト/テクノロジーや、映像・音楽関係の知財に高い関心を持つ。趣味は音楽制作で、トラックメイキングからラップもたまに行う。


知財ライティング: 都淳朗