No. 237 使い方“超”自由な扇風機

AIRXART(エアザート)

AIRXART(エアザート)は小型扇風機が内蔵されたブロックを組み合わせ、自由自在に形作れる扇風機である。部屋の大きさに合わせて自分好みの形に組み上げることができる。小型扇風機は一つ一つ制御できるため、吹き出す風は応用性が高く、涼むこと以外の目的にも、匂いや霧を合わせてエンターテイメントな風を生み出すなどの活用も可能である。風データはクラウドで制御できるため、離れた人同士での風交換など、従来の扇風機に囚われないユニークな活用が期待されている。

なにがすごいのか?

    • 組み替え可能な形状
    • 風以外に匂いや霧の噴出にも対応
    • 風をクラウドで制御可能

    なぜ生まれたのか?

    AIRXARTは、社内外のパートナーと共同で開発された新しい形の扇風機。イノベーション、デザイン、プロトタイピング、マニュファクチャリングなど各社の強みを持ちより、組織や職能の壁を越えて横連携する「ヨコパナ」のプロジェクトにより実現した。

妄想プロジェクト

ニューノーマルな鰻屋さんの看板

匂いと知覚、記憶は強く結びついていると言われている。懐かしい匂いで過去の出来事を思い出したり、食べ物のいい匂いにつられてついついお腹が減ってしまったというような経験は誰でもあるのではないだろうか。これらは、空気中の匂い分子が風に乗って鼻に届けられたことに起因している。

そのため、AIRXARTを活用して匂いもコントロールすることができれば、スリムな形状と和の趣あふれるデザインも相まって、蒲焼の甘く香ばしい匂いでお客さんを引き込むようなニューノーマルな鰻屋さんの看板を作ることもできるだろう。風のデータはクラウドで共有することもできるため、単身赴任のお父さんとあたかも一緒に食事しているような体験や、匂いを活かした広告・マーケティング手法が登場するなど、近い将来、風を伴う「匂いコミュニケーション」市場が拡大しているかもしれない。


妄想家: 宮田 大

宇宙と実家との風交換

「風」といえば、一般的にはある地点からある地点へと空気が流れるような自然現象を思い浮かべるだろう。ありとあらゆるものがデジタルと接続されていく現代においては、風もその例外ではなく日々進化を遂げている。AIRXARTもまた、デジタルとの接続により風の概念を拡張する知財である。

テキストや音声、動画といったデータの共有は日常の光景となっているが、未来のコミュニケーションの在り方として、これらに加えてよりリッチでリアルな体験の共有が求められていくのではないだろうか。AIRXARTなら、ハワイに住む友人や宇宙に出張中の家族ともクラウドを介することで風を共有し、肌で感じる新しいコミュニケーションのツールとして活用することが可能となる。


妄想家: 宮田 大

なぜできるのか?

自由に組み合わせ可能なモジュール

小さな扇風機が内蔵されたモジュールを上下左右に交互に重ねることで、彫刻のような曲面を構成。空間に合わせた柔軟な組み合わせが可能である。また、内向きに折り曲げても曲面に沿って重なるように造形されており、波形が重なることで剛体となり振動を軽減できる。

風をクラウドで管理

扇風機の動作全てをデジタルコンテンツとして捉え、制御の主体をクラウド上に移すことによって、制御規則をアップデータブルかつ自由度を最大限に引き出している。

相性のいい分野

家電
和を意識したスリムな空調、屏風型で間仕切りにもなる空調
ウェルビーイング
遠方の親戚や海外にいる友人との風交換
宇宙
宇宙空間で感じる実家の風
飲食
食べ物屋さんの「匂いが出る」看板
エンターテインメント
音楽ライブや演劇など、風や匂いを送風する臨場感の演出
シネマ
映画館の超次元体感椅子

知財情報

主な知財ホルダー:パナソニック株式会社

欧州意匠登録番号:007742358-0001

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

宮田 大 Dai Miyata
Creative Director / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。ブランディングから広告、映像、グラフィックデザインのクリエイティブディレクションが得意領域。Konelではプランからデザインまで自身で担当することも多い。アナログとデジタルを共有するプロダクト/テクノロジーや、映像・音楽関係の知財に高い関心を持つ。趣味は音楽制作で、トラックメイキングからラップもたまに行う。


知財ライティング: 松崎 啓