No. 264 裸眼で見られる高精細3Dディスプレイ

空間再現ディスプレイ ELF-SR1

「空間再現ディスプレイ ELF-SR1」とは、裸眼で目の前に実物が存在するかのような立体的な空間映像を体験できるディスプレイだ。ユーザーの目の位置をセンサーで常に認識し、左右の目に最適な映像をリアルタイムで生成。特別な道具がなくても立体映像を楽しめる。さらに、利用者を1人に絞ったことで見る人の位置データに基づいた映像が生成できるため、既存のディスプレイと比べて、高画質な映像を体験できるようになっている。将来、3Dを用いる様々なクリエイティブな現場での普及が期待される。

なぜ生まれたのか?

空間再現ディスプレイ ELF-SR1の出発点は「自分たちのテクノロジーを結集し、新しい3D映像表現を世の中に提供したい」というソニーの研究者たちの想いである。従来の3Dテレビで生じていた「3Dに見えない」という課題を解決するため、同社が独自に保有する先進技術を投入し、より高精度の立体的な映像を生み出した。

 

なぜできるのか?

ソニー独自の視線認識センサー

高速で対象物を見る瞳の位置を的確にとらえ続け、水平・垂直方向に加えて奥行方向にも、左右の目の位置をリアルタイムに検出。

目の位置に連動した映像をリアルタイムに生成するアルゴリズム

常に両目に正しい視点映像が提示されるので、動体視差も再現し、目線の変化にも対応した立体視が可能になる。

マイクロオプティカルレンズ

微細なレンズをディスプレイの全面に高精度に貼り付けて、高精細でなめらかな立体視を可能にする。

「Triangle Frame」というデザインコンセプト

これまでのディスプレイのあらゆる課題を解決する「Triangle Frame」というコンセプトを採用。その特長は、直角二等辺三角形のフレーム構造によって高い寸法精度に対応する「Precision(高精度)」、幅広いクリエイションの現場に耐えうる「Durability(耐久性)」、リアルな立体映像体験をシンボリックに表現した「Iconic(象徴)」の3点である。

集中力を高めるための工夫

2.1chのスピーカーを搭載し、左右の開口部と正面下部から音を出すことで、ユーザーを包み込むような画音一体の体験を実現。また、視聴を邪魔するノイズを視界から極力なくすため、操作ボタン類は視聴位置から見えないディスプレイ上辺に配置。

相性のいい分野

デザイン
クリエイターの作品作りにおけるイメージングをサポート
アート
目の前に実物がなくても絵画や工芸品を楽しむためのツール
エンターテインメント
映画やテーマパークのアトラクションでこれまで以上の高クオリティの映像を提供
医療
患者の臓器をスキャンし、手術の前に正確に現状を把握
教育
生物の体の構造をより具体的に理解できる立体図鑑

知財情報

主な知財ホルダー:ソニー株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。


知財ライティング: 中澤智心