No. 274 人の優しさや思いやりを引き出す”弱いロボット”

NICOBO(ニコボ)

NICOBO(ニコボ)とは、あえて自分では何もできない不自由なデザインと設計により、所有者の優しさや思いやりを引き出す「弱いロボット」。手足を持たず、自らで動く移動手段もなく、目や尻尾の動き、音声などによりコミュニケーションをとる。生活の中で覚えたカタコトの言葉を所有者の発音に合わせて発声することもあれば、呼びかけをしても無視をすることもあり、寝言をいったり、オナラをしたりもする。従来の命令されるロボットとは違い、人とほどよい距離感を生む気まぐれな世界観によって、生き物を世話しているような満足感や癒しを得ることができる。

なぜできるのか?

「反応しすぎない」センサー技術

NICOBOにはセンサーが内蔵されており、抱き上げられたり、撫でられたりすると認識する。その際はしっぽを振って人懐っこい仕草を見せるが、機嫌が悪いと拗ねて反応しないこともある。感情に応じてふるまいが変わるため、リアルなコミュニケーションを創出する。

機械学習技術

音声は独自の言語「ニコ語」を話し、「モコ!」「モコモン!」などと、感情を表現する。はじめはモコ語しか話さないが、次第に人の口癖なども学習し、子どものような舌足らずのカタコトで語りかけてくる。あえてディープラーニングなどの高度なAI技術は使用せず、世話をしたくなる気持ちを起こさせる。

見つめてくる瞳

複数のマイクアレイで構成され、音や声の方向を聞き分けてその方向を向くことができる。また、搭載されたカメラで人の顔を認識することも可能。

心地よい手触りと抱きやすいサイズ感

ニットを着ているNICOBOは柔らかく、心地よい手触りが特徴的。直径21-23cmくらいの球体に近い形で、重さは1.2-1.3kg程と女性や子どもでも抱っこしやすい設計となっている。

相性のいい分野

メンタルヘルス
動物アレルギー体質の患者でも体験できるアニマルセラピー
子育て
赤ちゃんの遊び相手として活用し、育児の負担を軽減
ペット
犬や猫を虐待せずに飼えるかのテストとして導入
教育
誰かのお世話をする気持ちを養える情操教育として導入
コミュニケーション
日常的なコミュニケーションによる、高齢者の孤独感解消や認知症予防

知財情報

主な知財ホルダー:パナソニック株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

出村 光世 Mitsuyo Demura
Producer / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した「日本橋地下実験場」を拠点に制作活動を行い、国内外のエキシビションにて作品を発表している。自然現象とバイオテクノロジーに高い関心がある。


知財ライティング: 清水 菜月