No.968
2024.12.10
屋内外の環境を可視化し、快適性と省エネを可能にするIoTクラウドサービス
REON BIZ(レオンビズ)
概要
「REON BIZ(レオンビズ)」とは、屋内外の環境を可視化して、快適性と省エネの両立を可能にするIoTクラウドサービス。小型・軽量なセンシングデバイスで、温度・湿度・照度・行動・振動のデータを取得してクラウドに送る仕組みで、リアルタイムで空間状況の把握やデータ活用ができる。人が身に着けることで、個人の周辺温度や体表面付近の温湿度データを取得できるため、特定場所の空調設定の見直しにも活用可能。室温にムラがある環境の最適化につながる。オフィスや倉庫、建設現場といった屋内外の働く環境の可視化で、熱中症やクーラー病などの健康リスクの低減やファシリティマネジメントの最適化に加え、職場生産性の向上にも寄与すると期待される。
なぜ生まれたのか?
新規事業創出から販売・拡大までをサポートする「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」を機に、事業が始まった。SSAPのオーディションに参加したソニー社員の発案をもとに、デバイスの接触部分の体表面を直接冷やしたり温めたりすることのできるウェアラブルサーモデバイス「REON POCKET(レオンポケット)」が誕生。2020年より、ソニー内の新規事業として事業化して販売を開始した。2023年には、「REON POCKET」を用いて、個人に合わせた温度調整ができるコネクテッドサービス「REON WIZ(レオンウィズ)」を開始し事業を拡大してきた。2024年4月、それらのREON事業をソニーからスピンオフして、事業を担うソニーサーモテクノロジーを設立。これまでの一般消費者向け事業に加わる、新たな法人向け事業として、「REON BIZ」の提供を開始している。
なぜできるのか?
センシングデバイス「REON POCKET TAG」の活用
独自のセンシングデバイス「REON POCKET TAG(レオンポケットタグ)」を開発。温湿度センサー・照度/接近センサー・加速度センサーの3つを搭載しており、周辺の温度・湿度、明るさ・物体の接近、移動・振動の検知ができる。Bluetoothの無線通信機能もあり、クラウドや専用アプリへの計測データの送信などが可能。外寸は約30mm x 12mm x 65mm、重さ約12gと小型・軽量なつくり。防水・防塵にも配慮しており、屋外でも使える。設置場所を選ばないため、空間内の複数箇所に置いたり、個人の服のポケットやヘルメットに入れたりと自由に設置可能。多数設置することで屋内外の環境を細かく可視化できる。
計測データのリアルタイム反映
「REON POCKET TAG」で取得したデータはクラウドに自動保存され、設置場所やユーザー周辺の環境をリアルタイムで把握できる。データは蓄積されるため、推移把握や過去比較などの分析が可能で、空調・配置見直しや設備導入といったファシリティマネジメントに活用できる。温湿度から暑さ指数(WBGT)を算出する機能もあり、高温環境での長時間労働などを防ぐデータとしても使える。また、クラウド間でAPI連携が可能なため、他システムと組み合わせた運用にも対応する。
サーモデバイス「REON POCKET」との連携
「REON POCKET TAG」は、個人に合わせた温度調整ができるサーモデバイス「REON POCKET」と連携可能。センサーで計測したデータをもとに温度を制御する。「REON POCKET」は冷温に対応しており、首の襟元に装着して手軽に使える。建物の構造や空調の配置、日当たりなどで温度ムラが発生しても、デバイスを通じてその人・その時に合った最適な温度を提供できる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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Top Image : © Sony Thermo Technology Inc.