No.1003

2024.12.16

苦手な環境刺激を避け、快適な場所を地図で探せるツール

センサリーマップ

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概要

「センサリーマップ」とは、口コミや評価を通じて、落ち着ける場所の情報や五感への刺激が強い場所の情報を共有できるコミュニティ型のツール。感覚過敏な人々でも誰でも、「騒がしい場所」や「まぶしい場所」「静かな場所」といった五感情報をマップに記録・共有することで、感覚が敏感な人々も安心して外出できる環境づくりをサポートする。また、カームダウンスペース(感情や緊張の高ぶりを緩和できる場所)の入力も可能。感覚過敏者のみならず、すべての人のアクセシビリティを向上させ、音、光、触覚、香りなど、感覚に過剰な負担をかけず、誰もが快適に利用できるサービスや空間づくりを支援する。

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なぜ生まれたのか?

感覚過敏当事者である加藤路瑛氏は、感覚過敏にまつわる課題の解決を目指し、2018年に株式会社クリスタルロードを設立。その後、2020年に感覚過敏研究所を設立し、以来、感覚過敏に関する啓発や研究、対策商品・サービスの企画や販売など、さまざまな取り組みを行ってきた。

そんな中、加藤氏は、感覚情報を付与した海外の公共施設の案内図に着目。こういった事例がまだ日本国内でほとんど見られなかったこともあり、「センサリーマップ」の開発に乗り出した。

なぜできるのか?

国外の注目事例を参考

海外ではさまざまな感覚特性の人々も過ごしやすいように、美術館や博物館、水族館、動物園などで園内地図・館内地図に五感情報が掲載されているケースが増えている。ロンドン博物館では、光・音・ニオイなどの五感情報をマップ化し、来場者がマップを見ることで、光などの刺激を対策して鑑賞できる工夫がなされている。こうした先駆事例に注目し、「センサリーマップ」は環境における五感情報をマップ上に可視化する。

感覚過敏の人々の外出機会の創出

センサリーマップはウェブアプリケーションで展開し、「さわがしい場所」や「まぶしい場所」「ニオイのある場所」「静かな場所」「カームダウンスペース」など、五感に応じた知りたい情報を入力・共有し、フィルタリングできるよう展開する。感覚が敏感な人々でも誰でも、外出先の情報を事前に確認し、安心して外出できる場所を見つけることを支援する。

誰でも快適に過ごせる環境の整備に寄与

センサリーマップで得られる情報を活用し、他者理解や効果測定、環境整備に役立てられる。カームダウンスペースや、五感にやさしいスポットのニーズを可視化し、誰にでもやさしいスポット、サービス、イベント増加に寄与する。データは感覚過敏の人々間での活用だけでなく、すべての人々にとって快適な環境整備のために活用できる。

様々なニーズでの活用

「引っ越し先を選ぶために静かなエリアを探したい」「落ち着いて作業できるカフェを探したい」「映画館やライブ、スポーツ観戦など賑やかな娯楽やレジャー施設でも安心して楽しめる場所を探したい」など、個々人の様々なニーズにも活用できる。

不測の場合や体調不良の際の避難場所や休憩所の把握

騒がしい場所を避けたいニーズや、静かな場所を探しているニーズ、安心して休憩できる場所、体調不良になった場合の避難場所や休憩所を探すなど、不測の場合の対策や回避策として活用できる。

相性のいい産業分野

教育・人材

触覚や聴覚を使った感覚マッピングで新しい学びを提供

IT・通信

製品やサービスに対する感覚的な反応を測定する調査ツールとして使用

医療・福祉

患者の感覚体験を通じて、リハビリプログラムへの活用や、心理的な課題の発見や改善をサポート

旅行・観光

センサリーマップを活用した体験型イベントや、地域での異文化体験、五感体験の可視化

官公庁・自治体

「センサリーマップ」に基づいた多様性を受け入れるまちづくり

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 クリスタルロード

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