No.914
2024.09.05
適正飲酒を実現する''飲みづらい''グラス
ゆっくりビアグラス
概要
「ゆっくりビアグラス」とは、ビールが少しずつしか流れてこない''飲みづらい''グラス。グラス底部が砂時計のようにくびれており、ビールの飲む量を制限できる。一般的に、ヒトの肝臓は、1時間あたり10g(缶ビール1缶分)のアルコールを代謝するとされ、一気飲みやがぶ飲みなどの急激な飲酒は大きな負担となる。一方、「ゆっくりビアグラス」で飲酒をすることで、アルコールの代謝に十分な時間を確保でき、肝臓へのダメージを軽減できる。適正飲酒の習慣化と健康寿命延伸に寄与する知財として期待されている。
なぜ生まれたのか?
2024年2月に厚生労働省が公表した「飲酒ガイドライン」では、生活習慣病のリスクを高める1日あたりの飲酒量(純アルコール量)を、男性40g以上、女性20g以上と定義。個々人がアルコールのリスクや影響を理解し、健康に配慮した飲酒を推進している。
「よなよなエール」など、個性豊かなクラフトビールを販売するヤッホーブルーイングでは、本ガイドラインの啓蒙活動を推進する一方で、適正飲酒をユーモラスを推進しようという発想から、「ゆっくりビアグラス」を考案した
なぜできるのか?
エールビールの香りを引き立てるデザイン
上部が湾曲しているため、ビールの香りを楽しむことが可能。さらに、時間をかけてエールビールを嗜むことで、麦芽やホップの複雑かつ微妙な風味を味わえる。
''理想の飲みづらさ''の追求
「ゆっくりビアグラス」は、東京ガラス工芸研究所の職人が手作業で製作。試作段階では、くびれ部分をミリ単位で調整した6種類のグラスで飲み比べを行い、香り・味わいを加味した「理想の飲みづらさ」を追求した。
相性のいい産業分野
- 生活・文化
「ゆっくりビアグラス」による適正飲酒の習慣化
- 食品・飲料
「ゆっくりビアグラス」で楽しむ美味しいエールビール
- メディア・コミュニケーション
「ゆっくりビアグラス」で実現する健全な飲みニケーション
- 製造業・メーカー
アルコール量に合わせて徐々に飲みづらくなっていくセンサー付きビアグラス
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 ヤッホーブルーイング