No.879

2024.08.07

顔料や染料なしで玉虫色を発現できる印刷技術

印刷型構造色シート

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概要

「印刷型構造色シート」とは、角度によって色彩が変わる玉虫色の発色現象である構造色を発現できる印刷技術。光の反射によって発色するため、顔料や染料を使わずに発現できる。従来、構造色は、樹脂の溶融押し出しによる多層フィルムによる発現が一般的だった。一方、本シートは、有版印刷やロール状の基材へのベタ塗工が可能。設定自由度の高さから、パッケージデザインや光学フィルターなど、さまざまな用途での活用が期待される。

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なぜできるのか?

設計自由度の高さを実現するコロイド結晶

一般的に構造色は、屈折率が光の波長と同程度のナノ周期構造を有するフォトニック結晶に光が入射し、回折・干渉が生じることで発現することが知られる。「印刷型構造色シート」では、3次元的な規則配列構造を有するフォトニック結晶の一種であるコロイド結晶を採用することで、優れた設計自由度を実現した。

鮮やかな色味を実現する単分散微粒子合成技術

鮮やかな構造色の発現には、色味を決定する粒子の大きさ(粒子径)と鮮やかさを決定する粒子径のバラつき(単分散性)の制御が必要となる。そこで、「印刷型構造色シート」では、独自の単分散微粒子合成技術により、150~350 nmの単分散粒子を作製。鮮やかな色味を実現した。

鮮やかな発色を実現する周期配列化技術

鮮やかな構造色の発現には、規則的な粒子配列が必要となる。そこで「印刷型構造色シート」では、独自の周期配列化技術により、硬く密着性の悪い粒子の規則配列化とその固定化を両立。これにより、鮮やかな構造色の発現と、基材追従性の向上を実現した。

相性のいい産業分野

メディア・コミュニケーション

動きや光の変化に応じて色が変わる視覚的に魅力的な広告ディスプレイ

製造業・メーカー

自動車の内装部品に「構造色シート」を使用して、高級感と耐久性を兼ね備えたデザインを提供

食品・飲料

光の変化で色が変わる費者の目を引きやすいパッケージで購買意欲を促進

アート・エンターテインメント

インタラクティブアートに「構造色シート」を使用し、観客の動きや照明の変化に応じて色が変わるビジュアル効果を実現

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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