No.893

2024.08.19

簡単なAI問診から病気や医療機関が分かる症状検索エンジン

ユビ―

892c5041-425d-48df-9226-4e0ed13aa7dc-x2

概要

「ユビ―」とは、受診の手がかりが誰でも無料で分かる症状検索アプリ。AIが生成した20問ほどの問診に回答するだけで、疑わしい病気についての詳細な情報や近隣の医療機関を調べられる。また、「ユビ―リンク」と「ユビ―AI問診」からなる医療機関向けサービス「ユビ―メディカルナビ」により、適切な医療機関とのマッチングや、医療機関との問診票の共有も可能。生活者の迅速な受診と医療従事者の業務効率化を両立するアプリとして期待されている。

s-2400x1464 v-frms webp 6e4fd05f-ed4b-4c58-8b2e-e6ae6e6ae604 regular

48083-64-f6ca9d01c6776b6136783a40de0897ab-1200x630

48083-64-ea6d5ccefc0fad0ffc559b41ffd08607-1570x960

なにがすごいのか?

  • 簡単な問診から疑わしい病気と適切な医療機関が分かる利便性

  • 患者・医療従事者双方にメリットがある公益性の高さ

  • 50名以上の医師が監修に参加する信頼性の高さ

なぜ生まれたのか?

ユビー代表取締役の阿部吉倫氏は、研修医として働く中で、2つの医療の課題に気づく。1つは、医療の事務作業など、診察とは直接関係のない業務の多いこと、2つ目は、患者側の病気に関する知識が乏しく、適切な受診のタイミングを逃してしまうことだ。

そこで、阿部氏は、大学院時代に自動問診アルゴリズムを開発していたエンジニアの久保恒太氏とともに、「健康が空気のように自然になった世界」を目指し、ユビーを設立。2017年に医療機関向けのサービスとして、「ユビーメディカルナビ」の提供を開始した。その後、「ユビ―メディカルナビ」のAI問診機能を応用し、「ユビ―」を開発。新型コロナウイルスによる受診控えの深刻化に伴い、2020年4月に緊急提供を開始した。

なぜできるのか?

AIによるきめ細やかな診断

「ユビ―」では、AIが利用者の主訴や症状に合わせた問診を自動生成。従来のWeb問診とは異なり、利用者に応じたきめ細やかな問診を実現できるほか、クリニック向けのサービスでは、医師によるカスタマイズもできる。

適切な医学的エビデンスに基づいたサービスの提供

「ユビ―」は、約5万本の医学論文に基づいており、3,500以上の症状と1,100以上の病名に対応。また、サービスの開発には各分野の50名以上の現役医師が携わっており、医師の診断をサポートする。

信頼性を担保する最新データの反映

医療専門家チームとデータサイエンティストが常時協働し、最新のデータを取り込んだ膨大なデータベース・フローチャートを構築している。適切な医学的エビデンスに基づいた医療情報の反映を随時行うことで、信頼性の高い症状チェックの提供を実現できる。

書類の自動作成による事務工数の削減

「ユビ―メディカルナビ」の「ユビ―AI問診」では、患者からの情報をもとに、問診票やお薬手帳、紹介状を自動生成(紹介状はクリニック限定機能)。医療機関側はスキャナーで読み取るだけで自動画像解析が可能になるため、カルテに打ち込む工程を削減できるほか、転記ミスも防止できる。

大規模言語モデルを活用した問診要約機能

クリニック向けの「問診要約機能」では、患者が回答した情報とフリーテキストで入力した相談内容を大規模言語モデルが要約。医師による患者のスムーズな容体把握をサポートする。

相性のいい産業分野

生活・文化

受診のハードルを下げ、生活者の受診の習慣化をサポート

AI

AIにより患者の症状に合わせた問診を生成

医療・福祉

問診票のカルテ転記業務を削減し、医療関係者の生産性を向上

メディア・コミュニケーション

AI問診からシームレスに遠隔診療が受けられるサービス

教育・人材

ワーカーの健康状態を恒常的にサポート

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image : © Ubie 株式会社