No.975
2024.12.10
脳情報の日常利用を実現するBCIプラットフォーム
XHOLOS(エクゾロス)
概要
「XHOLOS(エクゾロス)」は、脳情報を可視化し、さまざまな手段での表現を実現するBCIプラットフォーム。装着するだけで耳から脳波などの生体情報を自然に取得できるイヤホン型装置「XHOLOS Ear Brain Interface」と、生体情報を自動で解釈しトリガーアクションを実行できるBCI活用ソフトウェア「XHOLOS Engine」からなり、集中状態をライトの点灯で知らせたり、高集中時に話しかけないようにテキストで知らせたりといったことを可能にする。株式会社CyberneXでは、「XHOLOS」を活用し、法人向けの脳情報活用支援プログラム「Works with XHOLOS」などのサービスを推進。日常の様々なシーンで脳情報を活用した新しいコミュニケーションの形を実現する知財として期待されている。
なにがすごいのか?
・耳に装着するだけで脳波を計測できる簡便さ
・通常のイヤホンと変わらない使用感
・脳波の取得から活用までをスマートフォンで管理できる簡便さ
なぜ生まれたのか?
従来、ユーザーインターフェースは、伝えたい情報を言語化してインプットする目的で開発されてきた。しかし、心理的なウェルビーイングの重要性が叫ばれる昨今においては、ユーザーインターフェースだけでは言語化されない感情や状態を理解し伝えることは難しい。
CyberneX社では、前身となる旧・富士ゼロックス株式会社(現:富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)時代からBCIに着目。心理的な内面を表現する手段としてBCIを利用することで、より本質的なウェルビーイングの実現に寄与すると考え、研究を推進してきた。
しかし、従来の計測技術は、装着に時間がかかったり、装着時の見た目がよくなかったり、操作が困難であったりしたため、病院や研究室内で専門家の指導のもと利用する必要があった。
そこで同社では、脳波計測技術を活用した全く新しいコミュニケーションの世界を追求。装着感を軽減し、日常の延長でのBCIを実現するため、耳から脳情報にアクセスする画期的なイヤホン型デバイス「Ear Brain Interface」の開発に至った。
なぜできるのか?
小型化を実現したEar Brain Interface技術
「XHOLOS Ear Brain Interface」では、開発チームが富士ゼロックス株式会社時代から取り組んできたEar Brain Interface技術を採用。音声インターフェースと生体電位計測をノイズレスで小型基板に搭載することで、世界最小最軽量クラスとなる重量35gの小型化を実現するとともに、従来の脳波計にはないイヤホン型での自然な状態での計測を実現した。
装着感を軽減するドライフレキシブル電極
「XHOLOS Ear Brain Interface」には、耳の穴にフィットするドライフレキシブル電極(専用のペーストなどを必要としない柔らかい電極)を搭載。装着の負担感を軽減するとともに、体動によるノイズ耐性も高めることが可能になった。
連続計測を可能にする長寿命バッテリー
「XHOLOS Ear Brain Interface」には、最大30時間の計測を実現する長寿命バッテリーを搭載。これにより、生体情報の変化を継続的に計測することが可能になる。
デバイスの連携による多様な活用方法
「XHOLOS Engine」は、「XHOLOS Ear Brain Interface」とスマートフォン1台で使用可能。さらに、脳波を外部のデバイスにリアルタイム送信したり、レポート出力して詳細な分析に活用したりと、ハードウェア、ソフトウェア、クラウドの連携により、簡単かつバリエーション豊富な脳波の活用を可能にする。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : ©株式会社 CyberneX