No.995

2024.12.12

食材を高品質のまま長期間維持できる、第三の鮮度保持技術

ZEROCO(ゼロコ)

how-it-works pc

概要

「ZEROCO(ゼロコ)」とは、冷蔵・冷凍に次ぐ第三の鮮度保持技術および食材保管庫。庫内を温度0℃・湿度100%弱に安定的に保つことで、庫内の食品の美味しさと品質を保ったまま長期保存が可能になる。また、食品の冷凍前に予備冷却装置として使用することで、ドリップ(食材の水分が流れ出たもの)の流出や冷凍焼けを防止。食材の美味しさや鮮度を保ちながらフードロス削減を実現し、鮮度を保ちながらの大量保管・物流を可能にすることで、物流コスト削減にも寄与する。

sub3

sub1

sub4

なぜ生まれたのか?

ZEROCO株式会社社長の楠本修二郎氏は、2011年に起きた東日本大震災を機に、オイシックス・ラ・大地の代表の髙島宏平氏と「東の食の会」を設立。食産業を牽引するヒーローを出すことを目的に、東北地方の食関連業界を支援していた。

そんな中、楠本氏は、東北地方の農家や漁師から、雪の中で野菜を保管する「雪下野菜」の文化を知り、このテクノロジーを応用して「ZEROCO」を開発した。

なぜできるのか?

ドリップを抑えるムラのない冷却

従来の冷凍では、細胞内で発生した氷の結晶により細胞膜が破れ、中からうま味や栄養が入ったドリップが流出する場合があった。一方、「ZEROCO」では、表面から中心まで均一に0℃に保つことで、ムラのない急速冷却を実現。氷の結晶の発生を抑制でき、解凍時の品質劣化を防げる。

冷凍焼けを抑える高湿環境

一般的に、冷凍焼けは、脱水による乾燥や参加が原因といわれている。一方、「ZEROCO」では、100%の高湿度により、食品の水分を保持。食品の変色や変質を防ぎ、新鮮なまま保持する。

結露を抑制する独自技術

従来、低温・高湿度の環境では、結露が発生し、カビや凍結の原因になる場合があった。しかし、「ZEROCO」では、独自技術により結露の発生を抑制。加えて、細菌の繁殖も抑制でき、保存環境を実現している。

相性のいい産業分野

食品・飲料

とれたての野菜の品質を保持したまま数カ月保管

生活・文化

「ZEROCO」の普及によりフードロスの削減

農業・林業・水産業

「ZEROCO」の普及により鮮魚の神経締めやはらわた除去の工程削減

流通・モビリティ

食材を高品質なまま運搬する「ZEROCO」式フードトレーラー

製造業・メーカー

食材を新鮮なまま備蓄する「ZEROCO」式備蓄庫

医療・福祉

医療用冷蔵庫に「ZEROCO」を応用し、検体の品質を保持した保管

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image : © ZEROCO 株式会社