News

2022.11.09

知財ニュース

WOTA株式会社やソフトバンクら3社、離島・利島村に「オフグリッド居住モジュール」提供─水や電気を自給自足可能に

download

WOTA株式会社、北良株式会社、ソフトバンク株式会社の3社は2022年10月18日、東京都・利島(としま)村と、同島での水問題解決に向けた合意書を締結。水や電気の自立供給ができる「オフグリッド居住モジュール」を使用した住環境の検証を実施することを発表した。

33781-62-34904801911e7f55aa0c2dbd33f64254-1430x809-1-1024x579

利島村は、伊豆諸島北部の利島に位置する人口約300人の村。同島では水道での利用に適した地下水の確保が難しく、雨水を貯めたり海水を淡水化したりして利用してきたが、高額な給水原価に伴う水道事業の財政圧迫や淡水化装置の故障による渇水リスクなど、さまざまな課題を抱えてきた。また、住宅を新たに建築する際には、島外から資材や人材を調達する必要があり、高額な建築費や工期の長期化も課題となっている。

about history01

そこで3社は、このたびの検証を実施。北良株式会社が開発した「オフグリッド居住モジュール」を用いて、水道インフラの整備にかかる費用や工期を省略するオフグリッド化された住環境を整備。WOTA株式会社の「小規模分散型水循環システム」とソフトバンク株式会社の通信機器(モバイルWi-Fiルーターなど)を搭載することで、インフラに縛られない住環境を実現した。なお、この「オフグリッド居住モジュール」は、2022年10月18日から開催されたIT技術とエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC2022」にも出展されている。

sub1

WOTA株式会社の「小規模分散型水循環システム」は、生活排水の循環利用を実現する世界最小規模の水再生システム。膜処理・生物処理・殺菌処理により、さまざまな生活排水を再生できる。また、独自開発の「水処理自律制御システム」により、水処理を柔軟に制御し、大規模処理場レベルの高度管理でWHO基準の細菌・ウイルス除去率での水安全を実現する。

d33781-51-20bf43b8211426aea5d2-7

3社では今後、同施設を村の職員や希望する住民に一定期間提供し、島での利用に適した仕様や運用方法を検証する。その結果を踏まえ、同島での既存の公共施設や住宅での「小規模分散型水循環システム」実装や住宅未開発エリアへの拡大を検討する。また、併せて、同様の課題を抱える離島をはじめとした地域に向けたモデルケースの構築を目指すという。

プレスリリース(WOTA 株式会社)

「小規模分散型水循環システム」のプレスリリース

「WOSH」知財記事

「WOTA株式会社、全生活排水を再生循環する『オフグリッド居住モジュール』を 「CEATEC2022」に展示」(ニュース記事)

Top Image : ©︎ 東京都 利島村

広告