「コクヨデザインアワード2025」受賞作品決定―テーマは“prototype”、トロフィーは「未来へのベクトル」を抽象的に表現

コクヨ株式会社は、才能あるデザイナーの応援と共創を目的とするプロダクトデザインの国際コンペティション「コクヨデザインアワード2025」最終審査にて、グランプリ作品1作品と優秀賞3作品を決定した。

また、「コクヨデザインアワード2025 ファイナリスト作品展示会」を、4月9日（水）－ 4月25日（金）まで、東京・品川の「THE CAMPUS SHOP」で開催する。

kokuyo top

今年で22回目を迎える「コクヨデザインアワード2025」はテーマを「prototype」とし、プロダクトデザインにおいて一般的には完成前の原型や試作品という意味で使われる言葉を、今回は「次につながる可能性をもつ原型」と捉え、未来への起点となるようなプロダクトデザインを募集した。

2024年7月26日から10月9日まで作品を募集し、国内外61か国から合計1,448点（国内716点、海外732点）の作品が集まった。

最終審査では、昨年11月の二次審査およびパテント調査を経て選出された9作品のプレゼンテーションと模型審査が行われ、その後、審査員による最終審議によって受賞作品を決定した。受賞作品は以下の通りとなる。

◎グランプリ（1作品）

作品名：NEWRON／川田敏之

kokuyo 01 newron

作者コメント：人間の指先には多くの神経が集中しており、指先を刺激することで脳の働きは活性化されます。『NEWRON』は、グリップ部分に様々な形状の突起が施されたペンで、「かく」という作業と同時に指先から脳の働きを促し、創作活動をサポートする「アイデアを生み出すためのペン」です。

◎優秀賞（3作品）

作品名：スピニング／一條遥貴

kokuyo 02 spinning

作者コメント：本についている紐、スピン。本を読んでいる間もなんとなくクルクルと弄ったり、気づいたら先がほつれていたりする細い小さな紐。スピンに芯材を入れることで、少しだけ自由な"何か"になる可能性を広げます。それは、ページを跨ぐ付箋かもしれない。次に読む人への贈り物かもしれない。読んだときの心のかたちかもしれない。本から独立した造作かもしれない。まだ名前のないものかもしれない。そんな小さな可能性の在り方。

作品名：KAKONET／松村佳宙

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作者コメント：「」は言葉を強調し、私達の心に強く印象を残している。本や映画の「」で囲まれた言葉やセリフは時に私達を感動させ、涙を流す、笑顔を生む、幸せや勇気を与える、など感情を強く揺さぶります。私達はマグネットで何かを留める時に、同時に忘れたくないことや意識している事、想いを、心の内側にも留めているのかもしれません。KAKONETは、そんなあなたの内側にある、想いや、意識、記憶を「」を通して、より可視化し、強く印象づけ、留めるためのマグネットです。

作品名：秘密／weiweichen（Gaowei Liu、Cheng Chen）

kokuyo 04 diary

作者コメント：日記帳とは何か。最良の答えは、私たちの心に隠されている「秘密の言葉」だと思います。日記帳の横線を中心に向かって収縮させることで、「秘密の言葉」が、まるで奥深くに隠れているかのように感じられます。

◎ファイナリスト（5作品）

Universal sticker／山田泰之

付染-FUSEN-／8000000studio（馬鳥智貴、陳宇澤）

6°note／岩佐真吾、田中敦

Campus Cardboardpad／HASNICCA（小久保駿也、中平勁士郎、武富龍之介）

マテリアルタグパンチ／岩﨑由紀子松岡諒

ファイナリストの作品はこちら

トロフィーと表彰状

kokuyo 01 左：トロフィー　右：表彰状

トロフィーは、今年のテーマ「prototype」を受け、受賞作品が示す「未来へのベクトル」を抽象的に表現。キービジュアルで表現された複数の矢印は、トロフィーでは試行錯誤を経て一つの方向性へと昇華され、次の未来を力強く指し示している。表面に施された色泥漿による複雑な模様は、アイデアの試行錯誤から生まれる創造の軌跡を表している。また、ファイナリストに授与された表彰状はキービジュアルの「矢印」を使用し、素材感を出すためにチップボールを採用した。