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2023.08.03
知財ニュース
米政府のAI規制、OpenAIやGoogleなど7社が合意─AI生成コンテンツの明示など、数週間以内に行政措置を予定
バイデン米政権は現地時間7月21日、ホワイトハウスで生成AIの開発を手がける米主要7社のトップと会談し、AIが生成したコンテンツに「透かし」を入れるなどの対策の実施を発表、AIの責任ある技術革新に向けて合意したと発表した。
安全・安心・信頼の3つを基本原則として、AIが生成したコンテンツにラベル付けする(透かしを入れる)など、具体的なルールを設定。法的拘束力や罰則はなく、各社が自主的に取り組むべきコミットメント(責任・約束)と位置づけている。米政権は今春以来、企業側との意見の擦り合わせを進めていた。
会談には、OpenAIやGoogle、Microsoft、Meta、Amazon.comのほか、生成AIのスタートアップ企業のAnthropic(アンソロピック)と、Inflection AI(インフレクションAI)が参加。
ルールとして、技術を世に送り出す前にシステムの稼働テストを行い、リスク評価して公表することや、サイバーセキュリティの脅威から保護しリスク管理を行うとともに、国家安全保障上のセキュリティ対策のための情報共有を行うことなどが盛り込まれた。
加えて、AIが生成した文章や映像、音声などのコンテンツには、AI製であることが分かるようラベル付けを行う、透かしを入れるルールも設定。それにより、ユーザーが生成AIによるコンテンツであると判断できるようにし、偏見や差別の排除と、プライバシー保護を強化するという。
ChatGPTなどの生成AIが急速に進化する中、適正な利用促進と悪用防止に向けた法整備の動きは、欧州連合(EU)が先行している。欧州会議は6月にAIの規制案を採択。すでにAI製コンテンツの明示義務なども含めた規制を定めている。
バイデン大統領は、AIの有望な将来を実現するには、新しい法律・規則・監視が必要になるだろうと言及。法的拘束力を持たせるため、今後数週間以内に大統領令を講じ、引き続き行政措置を講じると述べた。
バイデン大統領の発言 “Remarks by President Biden on Artificial Intelligence”
Top Image : © The White House