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2023.01.23
知財ニュース
神山まるごと高専、カリキュラムの授業を担当する「プログラムパートナー」を発表─コクヨやソニーグループら5社
2023年4月に開校予定の神山まるごと高専は2022年12月19日、同校で正規カリキュラム内の授業を担当する民間企業「プログラムパートナー」を公開し、株式会社FFRIセキュリティ、コクヨ株式会社、ソニーグループ株式会社、PARTY、株式会社フードハブ・プロジェクトの5社が担うことを発表した。
神山まるごと高専は、「テクノロジー×デザイン×起業家精神」を教育の土台とした5年制の私立高等専門学校。良質な教育を提供すべく、一般科目および専門科目を担当する21名の教職員を取り揃えている。また、現役起業家が2名1組で毎週授業を行う「Wednesday Night」や実践的なカリキュラムにより、実社会でも利用できる学びを提供していく。
今回発表されたプログラムパートナーは、さらに社会と隣接した学びを提供する枠組み。実社会でビジネスを推進する企業に協力を仰ぎ、各社が強みとする領域で授業を提供してもらう。なお、この授業は正規のカリキュラムに組み込まれており、修了すると単位が出る。カリキュラムの詳細は以下の通り。
■各社カリキュラム
【株式会社FFRIセキュリティ「コンピュータセキュリティ」】
:セキュリティ領域の知見を活かし、5年生前期の授業を担当》
同社はサイバーセキュリティにおいて国内で独自の研究開発活動とサービスの提供を行なっている会社である。近年増加・複雑化の一途を辿るサイバー攻撃技術を独自の視点で分析し、国際的なセキュリティカンファレンスでも継続的に発表、海外でも高い評価を受けている。なお、主力製品「FFRI yarai」は官公庁を始め多数の導入実績を有する。
【コクヨ株式会社「循環型プロダクトワークショップ」】
:ものづくりに長年携わってきた観点から、4年生後期の授業を担当
1905年の創業以来、文房具やオフィス家具、事務機器を製造・販売や、空間の設計・構築を手掛けてきた同社。2021年2月の「長期ビジョン CCC2030」策定から社会での役割を「WORK & LIFE STYLE Company」と定め、「共感共創」を大切な価値観として多様な事業の集合体を目指している。2022年5月からは、「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。」をパーパスに、社会課題の解決にも積極的に寄与。神山まるごと高専とはファウンディングパートナーの関係でもあり、学校づくりでも支援を行っている。
【ソニーグループ株式会社クリエイティブセンター「プロダクトデザイン」】
:プロダクトデザインのノウハウをもとに、4年生後期の授業を担当
同社は、1961年にデザイン室(現:ソニークリエイティブセンター)を設立。「人のやらないことをやる」というDNAのもと、ブランドやプロダクト、インターフェースを含め、幅広い事業領域で多岐に渡るデザインを行っている。
【PARTY「ゲームエンジン」「ジェネラティブデザイン」】
:クリエイティブ制作の知見をもとに、5年生前期に授業を担当
同社は、アイデア・デザイン・テック・ビジネスを越境し、未来の体験を社会実装するクリエイティブ集団で、成田空港第3ターミナルの空間デザインや、オフィスデザインなど、様々なクリエイティブを制作している。代表である伊藤直樹氏は、本校のカリキュラムディレクターも務め、「モノをつくる力で、コトを起こす人」に必要なカリキュラム骨子をまとめた。
【株式会社フードハブ・プロジェクト「食育ワークショップ演習」】
:地域に根ざした食のつながりをもとに、5年生前期に授業を担当
同社は、神山町役場、神山つなぐ公社、株式会社モノサスが共同で立ち上げた会社。「神山町の農業を次の世代につなぐ」をミッションに、地域の食材を使った食堂「かま屋」「かまパン&ストア」の運営のほか、NPO法人 まちの食農教育の立ち上げを行い、食と農業に関する子どもたちへの教育も実践している。神山まるごと高専の学生に提供される給食も担当しており、日本一の地産地食の給食を目指している。
昨年9月には、ソフトバンク株式会社が10億円の支援を発表したことで話題になった同校。今後の動向に注目したい。
Top Image : © 神山まるごと高専