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2023.12.21
知財ニュース
セイコーエプソン、水を使わずに古紙から製紙する“乾式オフィス製紙機”「新型PaperLab」を開発─2024年秋の商品化目指す
セイコーエプソン株式会社は、乾式オフィス製紙機「新型PaperLab(プロトタイプ)」を開発。「エコプロ2023(SDGs Week EXPO 2023)」(12月6日~8日開催)で公開した。
「PaperLab」は、使用済みの古紙から水をほとんど使わず紙を再生できる製紙機。紙を繊維に戻す「繊維化」、結合素材により強度と白色度を向上させる「結合」、加圧・圧縮成形する「成形」の3プロセスからなる、同社独自の「ドライファイバーテクノロジー」により、「ドライファイバーペーパー」を生成する。
再生できる用紙は、コピー用紙のみならず厚紙や色紙の再生も可能。4000枚の古紙をそのまま本体にセットすることで、一括で大量の用紙を再生可能なため、使用済みの紙が大量に発生するオフィスでの使用に適している。
同社は、2016年に世界初の乾式オフィス製紙機「PaperLab A-8000」を発売。その後、官公庁や自治体、金融業、製造業などで導入が進み、紙の購入や使用済みの紙の処理の輸送頻度の削減、CO2排出量の削減などに貢献してきた。
今回発表した「新型PaperLab(プロトタイプ)」では、「エコプロ2022」で公開したコンセプトモデルをもとに改良を実施。本体サイズは、2016年に発売した世界初の乾式オフィス製紙機「PaperLab A-8000」に比べ約50%の小型化を実現したほか、外観も木目基調の天板を採用し、オフィスに馴染みやすいデザインを実現した。また、紙再生時の結合材には天然由来成分を採用したほか、PaperLabで再生した紙を繰り返し再生できるようにした。
また、「新型PaperLab(プロトタイプ)」では、新たに別途専用シュレッダーを導入。使用済みの古紙をその場で細断できるため、本体から離れた場所でも機密情報を漏洩せずに古紙を回収し、漏洩リスクの心配を払拭できる。加えて、複数箇所にシュレッダーを配置することで、ビル内での複数企業の共同利用や地域での利用も実現可能になった。
なお、「新型PaperLab」および「PaperLab A-8000リフレッシュモデル」では、再生した紙の枚数に応じて木材や水、CO2に対する環境貢献量を液晶パネルで確認できる機能も追加。情報は本体パネル、PCやスマートフォンでも確認でき、社員の環境意識やモチベーションの向上にもつなげられる。
同社は、2024年春に実証実験を行い、同年秋の商品化を目指す。「PaperLab」の環境貢献価値を世の中に広げることで、「持続可能でこころ豊かな社会の実現」を共創していくとしている。
Top Image : © セイコーエプソン 株式会社