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2022.06.22
知財ニュース
令和4年度全国発明表彰が発表、富士通のOntenna(オンテナ)が最も優れた発明・意匠の「恩賜発明賞」受賞
令和4年5月31日(火)、公益社団法人発明協会より、令和4年度全国発明表彰の受賞者が発表された。
全国発明表彰は、大正8年(1919年)の第1回帝国発明表彰にはじまり、文部科学省、経済産業省、特許庁、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本弁理士会、朝日新聞社の後援により優れた発明・意匠を完成した者、発明の指導・奨励・育成に貢献した者等を顕彰することにより発明の奨励・育成を図り、日本の科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的に開催されている。
特に、皇室の発明奨励に対する特別の思召により毎年御下賜金が提供されており、全国発明表彰の象徴的な賞として、最も優れた発明・意匠の完成者に恩賜発明賞(第1表彰区分)が贈呈されている。令和4年度は富士通株式会社の「Ontenna(オンテナ)」が受賞した。
また、第2表彰区分では、中小・ベンチャー企業、大学及び公設試験研究機関等の研究機関の発明・意匠を対象に未来創造発明賞等が贈呈されている。
「Ontenna(オンテナ)」は音の大きさを振動と光の強さに変換して伝達する身体装着装置で、ろう者でも音のリズムやパターンといった特徴をリアルタイムにからだで感じることができる。全国8割以上のろう学校に導入され、発話練習やリズム練習、STEAM教育などに活用されている。また、映画やスポーツ観戦、音楽ライブ、狂言などの様々なイベントにおいて、ろう者だけでなく、健聴者の方々に対しても臨場感や一体感を与えるような価値のある体験を生み出している。
富士通株式会社は今後も、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」の指針のもと、個人のアイデンティティに関わらず、誰もが違いを認めあい、活躍できるような多様性を尊重した責任ある事業活動に取り組んでいくとのことだ。
他の令和4年度「全国発明表彰」の受賞者は以下の通り。また、表彰式は令和4年6月30日(木)、The Okura Tokyo プレステージタワー1階「平安の間Ⅱ・Ⅲ」にて行われる予定だ。
【第一表彰区分】
■恩賜発明賞
■内閣総理大臣賞
急速充電を可能とする800V車載インバータ用絶縁樹脂構造の発明
■文部科学大臣賞
■経済産業大臣賞
■特許庁長官賞
■発明協会会長賞
■日本経済団体連合会会長賞
■日本商工会議所会頭賞
■日本弁理士会会長賞
■朝日新聞社賞
■発明賞
1.アルミ地色でも読み取れるバーコード用コーティングの発明(特許第5496133号)
2.空間再現ディスプレイの意匠(意匠登録第1660078号)
3.血小板染色を利用した迅速・正確な血小板測定方法の発明(特許第4659122号)
4.高延性厚鋼板を用いた衝突安全性に優れた船体構造の発明(特許第5893231号)
5.高画素・高画質一眼カメラのブラックアウト現象解消法の発明(特許第6565905号)
6.生活をシームレスにつなぐ都市型EVの意匠(意匠登録第1635586号)
7.製造装置等の信頼性を高めるソフトエラー対策法の発明(特許第6729825号)
8.多値フラッシュメモリの読み出し方式最適化の発明(特許第4892307号)
9.超極細銅合金線とその応用製品の発明(特許第4143086号)
10.排水を利用した高効率給水加温システムの発明(特許第5263421号)
11.放射性セシウム分離濃縮方法及び放射性セシウム分離濃縮装置の発明(特許第6754341号)
12.無線LANの干渉回避機能を有する気象レーダの発明(特許第6383134号)
【第二表彰区分】
■未来創造発明賞
■未来創造発明奨励賞
■未来創造発明奨励賞
【発明奨励功労賞】 (五十音順)
加藤 勘次氏
前 一般社団法人三重県発明協会 会長
おぼろタオル株式会社 代表取締役社長
金森 秀一氏
前 熊本県発明協会 会長
前 公益社団法人発明協会 幹事
株式会社オジックテクノロジーズ 代表取締役社長
木村 一義氏
一般社団法人山形県発明協会 会長
公益社団法人発明協会 幹事
株式会社シェルター 代表取締役会長
小暮 高史氏
一般社団法人群馬県発明協会 理事
館林発明協会 会長
株式会社館林うどん 代表取締役社長
髙橋 昌勝氏
一般社団法人宮城県発明協会 会長
仙台市泉少年少女発明クラブ 会長
産電工業株式会社 代表取締役
橋田 義輝氏
元 一般社団法人高知県発明協会 理事
元 ニッポン高度紙工業株式会社 技術顧問(知財担当)
三木 保典氏
一般社団法人和歌山県発明協会 常務理事
三木理研工業株式会社 代表取締役
水野 みな子氏
元 一般社団法人発明推進協会 講師
青和特許法律事務所 カウンセル 提携弁理士
吉井 剛氏
一般社団法人新潟県発明協会 副会長
吉井国際特許事務所 所長 弁理士
Top Image : © 公益社団法人 発明協会