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2023.11.01

知財ニュース

米アマゾン、処方薬のドローン配送をスタート─注文から1時間以内に自宅へ、米国で開始

amazon

米アマゾンが、オンライン薬局サービス「Amazon Pharmacy」にてドローン配送を開始した。処方薬は注文から1時間以内に、Amazonのドローン配送サービスにて注文者の自宅に届けられる。まず、南部テキサス州カレッジステーションで始めたが、今後段階的に対象地域を広げる。

利用者が会計時に「60分以内の無料ドローン配送」を選択すると、薬剤師が指定の薬をドローンに積み込む。顧客は事前にドローン配達サービスに登録し、荷物の落下地点などの調査を受ける必要がある。ドローン配送への追加料金は不要。薬は、インフルエンザ、喘息、肺炎などの一般的な症状を治療する500種類以上の薬が利用可能だ。

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ドローンは障害物の少ない高度40~120メートルの空域を飛行し、顧客宅に到着するとゆっくりと安全に配達マーカー上まで降下する。ドローンは障害物検知回避技術を備えており、人や動物を含む地面から突き出た構造物や物体を検知し、それらが降下経路の妨げになっていないかどうかをチェック。配達区域がクリアになると、ドローンは荷物をリリースし、高度を上げ、配達センターに戻る。顧客はドローンを操作せずに、一切触れ合うことなく荷物を受け取ることができる。

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オンライン薬局「Amazon Pharmacy」は現在、オースティン、インディアナポリス、マイアミ、フェニックス、シアトルで同日配達を提供している。また、プライム会員は、薬の初回注文時に2日以内の無料配達や、毎月自動配達を設定するオプションもあり、より利便性の向上が期待される。

さらに風邪やインフルエンザの症状を含む35の症状に対して24時間365日無休でバーチャルで治療を提供する「Amazon Clinic」や、バーチャルと対面のハイブリッドプライマリケアサービスを提供する「One Medical」の利用もできる。

2020年末のサービス開始以来、Amazon Pharmacyは、50種類以上のジェネリック医薬品を月額5ドルで利用できるRxPassや、ブランド薬を即座にお得に購入できるメーカー協賛の自動クーポンなど、顧客が必要な治療を受けることを妨げるハードルを取り除くことに注力してきた。

さらに、Amazonは高度な機能を備えたドローンの操縦に必要な連邦航空局の航空運送事業者証明書を取得した、数少ないドローン配送会社の一つ。2022年12月以来、カレッジステーションにおいて何百もの家庭用品を安全に配達した実績を誇っている。

Amazon Pharmacyの副社長John Love氏は、「顧客が必要とする急性・慢性薬を、より簡単により早くより手頃な価格で入手できるようにしている。迅速な配達は、処方箋配達のパラダイムを数日から数分に変え、従来より劇的な改善を体験できるだろう」と話し、サービスへの大きな期待を示している。

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Top Image : © Amazon.com, Inc.

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