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2023.12.11

知財ニュース

宇宙ビッグデータを活用した「天地人コンパス」、AIが質問に答える 「Compass AI on Azure」機能を搭載

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JAXA認定の宇宙ベンチャー 株式会社天地人は、宇宙ビッグデータを活用したWebGISサービス「天地人コンパス」に期間限定で、AIが質問に答えてくれる 「Compass AI on Azure」機能を搭載すると発表した。「Compass AI on Azure」は、Microsoft Azureを活用した機能で、ビジネスでの活用を想定しており、料金は無料、期間は2024年3月31日まで。天地人のnoteで、参考例も公開している。

「天地人コンパス」は、地球観測衛星のビッグデータを始めとする様々なデータを基に、解析、可視化、データ提供を行う土地評価サービスだ。農業から都市開発まで、様々な目的に合わせてカスタマイズが可能で、最適な土地を宇宙から見つけることができる。

「Compass AI on Azure」は、8月に期間限定でリリースした「Compass AI」の進化版だ。「Compass AI」は、宇宙ビッグデータや対話型AIといった天地人コンパスの最新技術を、夏休みの自由研究での活用に絞り、子どもたちに使用提供していた。

「Compass AI on Azure」はMicrosoft社のAzure OpenAI Serviceを利用したAI機能で、ChatGPTを活用して「天地人コンパス」に蓄積された宇宙ビッグデータを検索することができる。例えば、「東京駅の今日の気温は?」という質問に対し、Compass AIが宇宙ビッグデータからピンポイントで、気温を提供してくれる。これまでChatGPTが学習していない宇宙ビッグデータを、ChatGPTで呼び出すことが可能な珍しい仕様となっている。

本システムは、ビジネスでの利用を想定しており、「レストランやカフェでの日替わりメニュー」の活用を例として出すと、例えば渋谷区にあるイタリアンレストランが日替わりメニューの提供を検討する際に「明日の渋谷の1時間ごとの気温の予報値を教えて」、「明日の渋谷の1時間ごとの日射量の予報値を教えて」などと質問をすることで、明日の気温と日射量の予報値がわかる。

そのデータをもとに、「実は渋谷でイタリアンのお店を経営していて、明日の気温と日射量に合わせたメニューを提供したいと思っているんだけど、明日は時間帯ごとにどんなメニューが売れそうかな」というような質問をすることで、「Compass AI on Azure」がメニューなどを提案してくれる。メニューの名前などもアイデア出しが可能だ。「Compass AI on Azure」を活用し、気象データを活かした販売戦略を行うことができる。

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これまで、「天地人コンパス」は、「宇宙ビッグデータ米」プロジェクトやキャンプ場候補地を宇宙から衛星で探すプロジェクト、複数の土地の類似性を気象の観点から評価するプロジェクトなどに活用されてきた。

衛星から撮影した画像などは代表的な衛星データだが、天地人コンパスでは、衛星から撮影した画像データのほかにも、降水量などの気象情報や、3Dマップに代表される地形情報、赤外線によって観測される地表面温度なども世界中のあらゆる場所で取得可能だ。また、天地人コンパスでは、ユーザーが元々持っている地上データや、実績データなどを重ね合わせて、複合的に分析することもできる。

「Compass AI」は、天地人コンパスの新たなニーズを探る目的もあり、今後の機能追加や、新サービス開発になどに活かしていくとのことだ。

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Top Image : © 株式会社 天地人

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