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2024.04.04

知財ニュース

世界初の成功、マサチューセッツ総合病院、遺伝子編集された「ブタの腎臓」を人間へ移植する手術を達成

2024 0331 06

マサチューセッツ総合病院は、遺伝子編集された豚の腎臓を62歳の人間の男性へ移植することに、世界で初めて成功したと発表した。ブタの臓器を人間に移植する手術はこれまでにも行われてきたが、生存する人間へのブタの腎臓の移植は今回が初となる。

69のゲノム編集を行ったブタの腎臓が患者に移植されたとのこと。

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手術は現地時間3月16日に実施され、4時間に及んだとのこと。この手術は、患者により容易に利用可能な臓器を提供するという探求における大きなマイルストーンになるとしている。

マサチューセッツ総合病院はアメリカ最大規模の医学系研究機関であり、世界の医学研究を率いるマス・ジェネラル・ブリガムの創設メンバーのひとつ。マス・ジェネラル・ブリガムは、1954年にブリガム・アンド・ウィメンズ病院で行われた世界初のヒト臓器移植(腎臓)の成功や、2016年にマサチューセッツ総合病院で行われた国内初の陰茎移植など、臓器移植の革新における豊かな歴史を持つ研究機関だ。

この機関のCEOであるアン・クリバンスキー医学博士は、「最初の腎臓移植の成功から約70年が経ち、私たちの臨床医は革新的な治療法を提供し、患者や世界中の人々の病気の負担を軽減するという私たちの取り組みを改めて実証してきました。」と述べている。

移植されたブタの腎臓は、マサチューセッツ州ケンブリッジのeGenesisがブタのドナーから提供。この腎臓はCRISPR-Cas9テクノロジーを使用して遺伝子編集され、有害なブタの遺伝子が除去され、ヒトとの適合性を高めるために特定のヒトの遺伝子が追加された。さらに、科学者らは、ヒトへの感染リスクを排除するために、ドナーであるブタのブタ内在性レトロウイルスを不活化した。

今回の手術の成功は、世界的な臓器不足に対する潜在的な解決策として、異種移植(ある種から別の種への臓器や組織の移植)という新興分​​野における歴史的なマイルストーンになるとしている。

この移植手術を受けた患者・マサチューセッツ州ウェイマス在住のスレイマン氏は、マサチューセッツ総合病院で順調に回復しており、間もなく退院する予定なのだという。

スレイマン氏は長年、2型糖尿病と高血圧を患っており、7年前に透析を受けていた後、死亡した人間のドナーからの腎臓移植を受けていた。約5年後に移植された腎臓に不全の兆候が現れ、スレイマン氏は2023年5月に透析を再開。透析を再開して以来、透析バスキュラーアクセス合併症が再発し、凝固除去と外科的修正のため2週間ごとに来院する必要があった。

スレイマン氏の腎臓科医であるウィリアムズ医師は「この技術進歩による臓器の豊富な供給は、最終的には健康の公平性を達成し、必要とするすべての患者に腎不全に対する最良の解決策、つまり腎臓が適切に機能することを提供するのに大いに役立つ可能性がある。長年私の患者であったスレイマン氏の、移植分野の先駆者となった勇気を称賛します」と述べている。

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Top Image : © マサチューセッツ 総合病院

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